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千円盤(せんえんばん)は、1968年に日本コロムビアが発売開始した、1枚1000円の、クラシック音楽を録音したLPレコードである。その後、他社が追随し、オーディオやクラシック音楽の普及に大いに貢献した。 ==歴史== 30cmLPレコードが日本に登場したのは1951年で、その後徐々に、ステレオ盤に移行していったが、価格は1枚2000円または2200円で、ほとんど変わらなかった。1960年ころの大学卒の初任給は15000円程度、国電は3km以内なら10円で乗れた時代であるから、かなり高価なものであった〔厚生労働省発表の賃金構造基本統計調査によると、2009年度の大学卒初任給は198800円である。これを基に当時のLPレコードの価格を2009年における価格に換算すると、26506円または29157円となる(小数点以下は切り捨て)。〕。 アメリカ合衆国では、1960年代になると、1枚$4,98または$5.98のレギュラー価格盤に対し、$2.98の「廉価盤」が売られ、日本国内でも、秋葉原や銀座の「洋盤屋」などで、1枚1300円くらいで売られるようになった。書物にも一般価格のハードカバー(単行本)に対してペーパーバック(文庫)という廉価版があるのだから、レコードの「文庫版」があってもいいのではないかと発売されたのが、千円盤だった。 1970年ころになると、クラシックを扱うほとんどのレコード会社が千円盤を制作し、レコード芸術抔の音楽雑誌も、年に一度は千円盤の特集を組むなどしたため、クラシック音楽の愛好家を増やし、千円盤はヒット商品になった。アメリカの廉価盤には、「ビクトロラ」レーベルのように、明らかに盤を薄くしたいわゆる「ペカ盤」があったが、日本産にはそうしたものはなく、フルニエがチェロを演奏したドヴォルザークのチェロ協奏曲、クリュイタンスが指揮したベートーヴェンの第九、パイヤール室内管弦楽団のバロック音楽など、演奏・録音とも質の高いものが多かった。 1973年、オイルショックによるインフレを理由に、一枚1200円または1300円に値上げされ、千円盤に代わって「廉価盤」ということばが用いられるようになったが、LPがコンパクト・ディスクに主役の座を明け渡すまで、廉価盤は人気商品だった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「千円盤」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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