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千葉県立中央博物館(ちばけんりつちゅうおうはくぶつかん)は、千葉県千葉市中央区の県立青葉の森公園内にある房総の自然誌と歴史に関する総合博物館である。1989年(平成元年)に開館した。常設展示のテーマは、「房総の自然と人間」である。房総の代表的な自然を再現した生態園が隣接しており、様々な動植物を身近に観察することができる。 分館として勝浦市に海の博物館が建設され、同様に山の分館も計画されたが、千葉県の財政悪化などもあり建設は延期されるに至った。また千葉県の県立博物館の再編によって2006年には大多喜町の千葉県立総南博物館が大多喜城分館に改組された。 ==概要== この館は、それまでに建設されていた千葉県の県立博物館群の中枢的機関として構築された。また、日本の植物生態学の草分け的学者であった千葉大学理学部名誉教授沼田眞を準備室段階から初代館長として迎え、当時日本の生態学や分類学の分野で際立った研究をしていた大学院博士課程や修士課程を修了直後の若手研究者を、学芸員や技師としてそれまでの公立博物館からは考えられない規模で大人数採用してしまい、その後一自治体としては経営維持困難な体制を作り上げてしまった。 こうしたいわゆる「役人の論理」とは異なる「学問の論理」に基づく博物館建設は、日本の行政機構上は困難であるというのが当時の常識であったが、当時の千葉県知事が日本の生態学界や千葉県の自然保護に関して大きな力を持っていた沼田眞の実弟沼田武であったという奇貨ともいえる組み合わせにより、当時としては常識はずれのこの事業が可能になったと言われている。これにより千葉県内では「沼田記念館」などと揶揄されている。ただし、実際には沼田眞が1948年に設立し、彼自身が40年間に渡り会長を勤めて育て上げた千葉県生物学会の研究活動がこの博物館建設の前史としてあり、この学会から1965年以来千葉県当局に出されてきた自然史博物館建設の要望と、会員による研究活動、資料収集活動が四半世紀近くの地道な活動を経て結実したものであることが、この博物館の設立の根底にあることを見逃してはならない。 こうした、初動体制から実績ある学界の主導的立場にある学者を権限ある館長職に迎えて統率をとらせ、先端部分で注目されている若手研究者を大量採用して実働部隊とする手法は、豊富な研究成果と活発な社会教育活動につながり、先進事例として1980年代末から1990年代前半にかけて日本の各県で建設された多くの大型県立博物館に踏襲された。こうした例は、兵庫県立人と自然の博物館と霊長類学の河合雅雄館長、滋賀県立琵琶湖博物館と動物生態学の川那部浩哉館長の組み合わせに、その典型例を見ることができる。 しかし、バブル経済の崩壊とともに千葉県の財政が極度に悪化し、また沼田眞(植物生態学・1989年-1998年)、千原光雄(海藻学・1998年-2002年)といった初期の個性的な学者館長の時代が終わったこともあり、1990年代末から運営資金の大幅な削減やそれによる業績出版活動の停止、2004年からの常設展示の有料化およびそれに伴う来館者数の大幅な落ち込みなど、大きな転換点に立たされている。 総合博物館ではあるものの、常設展示は設立の前史の経緯もあり、自然史的展示の比重が大きい。ナウマンゾウや鯨の骨格標本、清澄山の照葉樹林や東京湾の干潟のジオラマ、などが目立った展示物であるが、景観生態学的観点に立った谷津田の生態系や伝統的な農村生活の展示、千葉県産の主要な昆虫の標本を収めた標本箱を壁一面にはめ込むなど、膨大な主要分類群の標本を一室に集めた生物の分類展示などにこの館の特色を見出せる。純人文分野の展示では千葉県の通史が解説されており、重要文化財の銚子市常灯寺の木造薬師如来座像の複製など各地で現地管理されている県内主要文化財のレプリカが多く展示されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「千葉県立中央博物館」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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