|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 単 : [ひとえ, たん] 【名詞】 1. one layer 2. single ・ 段 : [だん] 【名詞】 1. step 2. stair 3. flight of steps 4. grade 5. rank 6. level ・ 式 : [しき] 1. (n,n-suf) (1) equation 2. formula 3. expression 4. (2) ceremony 5. (3) style ・ 宙 : [ちゅう] 【名詞】 1. space 2. air 3. midair ・ 往還 : [おうかん] 1. (n,vs) traffic 2. coming and going 3. highway ・ 機 : [き, はた] (n) loom
単段式宇宙輸送機(たんだんしきうちゅうゆそうき)は、燃料や推進剤のみを消費し、エンジンや燃料タンクなどの機材を切り離さずに衛星軌道に到達できる宇宙機である。 single-stage-to-orbit の訳であり、SSTOと略す。単段式宇宙往還機などとも訳す。「SSTO」は必ずしも再使用できることを意味しないが、再利用しないものを捨てないメリットは薄いので、通常は単段式の再使用型宇宙往還機となる。 == 概要 == 通常の乗り物は、出発から目的地への到着まで、燃料が減少することを除いては、機体(車体、船体)を大幅に変更したり切り捨てたりすることはない。しかし従来、地球上から地球周回軌道へ向かうロケットは多段式であり、軌道へ到達するのは機体の一部であるうえ、最終的に出発地へ戻る部分は回収の必要がある搭載物のみ(有人宇宙船など)で、機体は使い捨てであった。このことはロケットの飛行を複雑で高価なものとしており、出発から目的地到着、出発地への帰還まで主要部品を切り離さず、点検整備と推進剤充填だけで再度飛行できる機体であれば、航空機のように簡便で経済的な輸送手段になるとの考えが生まれた。 従来の宇宙ロケットが多段式であるのは、実現可能なロケットエンジンの性能の制限と、ツィオルコフスキーの公式から導き出される結論である。この結論を覆して単段で宇宙に到達するには、従来より軽い(離陸重量に占める推進剤の比率が大きい)機体と、従来より高性能なエンジンの組み合わせが必要となる。しかも従来の多段式ロケットは機体を使い捨てにすることで構造を簡素化しているのに対し、機体を出発地に帰還させ再使用するためには大気圏再突入と減速、着陸の機能が必要であり、これを加えてなお使い捨て機体より軽量な機体に仕上げる必要がある。 また、1機のSSTOの製造費用が、同等の能力を持つ1機の使い捨てロケットよりはるかに高額になることは当然であるから、SSTOは繰り返しの飛行により減価償却しなければ運行費用は安くならない。このため、SSTOは機体を喪失するような重大事故を起こす可能性が極めて低い(飛行中の故障があっても、安全に帰還できればよい)こと、簡便で経済的な整備により短期間で次の飛行が可能であること、主要部分の寿命が充分に長く償却までの飛行回数を確保できることが必要である。 SSTOでは、多段式ロケットのような切り離し機構などが不要となり構造を簡素化でき、また1段目の再使用のみを考慮すればよいことから、再使用型宇宙往還機の形状として望ましいと言われている。しかし、ロケットエンジンによる設計ではツィオルコフスキーの公式により機体の大幅な軽量化が必要であること、さらにスクラムジェットエンジン等の開発が難航していることなどから、地球上でのSSTOは2011年現在実現していない。軌道への打ち上げには、多段式の使い捨て型ロケットや多段式で一部再利用のスペースシャトルが用いられている。デルタクリッパーやX-33、ロトン等の数隻のSSTOが研究・設計されたが、いずれも軌道には到達していない。 なお、月でのSSTOはアポロ計画のアポロ月着陸船の上昇段で実現されている。月の低重力ならば、SSTOは難しいことではない。ただしアポロ月着陸船全体でみた場合、着陸する際に使用した下降段(総重量の6割)は切り離し月面に捨ててきている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「単段式宇宙輸送機」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Single-stage-to-orbit 」があります。 スポンサード リンク
|