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厨子甕(ずしがめ、方音:ジーシガーミ)は、沖縄県を中心とした南西諸島地域に見られる蔵骨器。骨壺。 ==概要== 沖縄では、古来より死者を崖下や洞窟に運んで風葬にする風習があった。これがのちに風葬後に洗骨と呼ばれる遺体の骨を洗って、遺骨を蔵骨器に納める風習へと発展する。この蔵骨器が厨子甕である。沖縄では、戦前まで火葬は仏教僧侶以外は一般的ではなかった。 厨子甕は、洗骨後の遺骨をまるごと納める容器であるため、日本本土で一般に見られる火葬用の骨壺と比較すると、かなり大型である。また、かつては夫婦合葬、親子合葬なども一般的であったため、二人分の骨を納める大きさが必要であった。戦後は、沖縄県でも火葬が普及したため、今日では火葬用の小型の厨子甕も販売されている。 厨子甕は、遺骨を納めるというその性質上、元来は人目に触れるようなものではなかったが、廃藩置県後、まずバジル・ホール・チェンバレンによって、その芸術的、民俗学的価値が高く評価された。また、昭和に入ると、柳宗悦や濱田庄司等の民芸運動を通して、厨子甕は沖縄陶器を代表するジャンルの一つとして、その芸術的価値が認められるようになった。 戦後は、火葬の普及とともに、本来の蔵骨器(骨壺)としての需要は減少傾向にあり、厨子甕を制作できる陶工も少なくなってきている。しかし、その一方で、上江洲茂生等のように厨子甕の伝統的・芸術的価値の重要性を認識し、厨子甕の制作にこだわり続ける陶工もいる。また、近年では本来の用途と違った、インテリアの一種として厨子甕を求める人も現れてきている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「厨子甕」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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