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厳島 : ウィキペディア日本語版
厳島[いつくしま]

厳島(いつくしま)は、瀬戸内海西部、広島湾の北西部に位置する、芸予諸島の島。通称は宮島(みやじま)、また安芸の宮島ともいう。行政区分は広島県廿日市市宮島町。
== 概要 ==

松島天橋立とならび、日本三景のひとつとして知られる景勝地である。古代から島そのものが自然崇拝の対象だったとされ、平安時代末期以降は厳島神社の影響力の強さや海上交通の拠点としての重要性からたびたび歴史の表舞台に登場した。江戸時代中期からは、日本屈指の観光地として栄えてきた。現在では人口1800人余りの島に国内外から年間300万人を超える参拝客及び観光客が訪れており〔廿日市市発表による2008年の宮島地区への入り込み観光客数は343万人。1998年から2006年までは300万人を割り込んだが、2007年(307万人)以降は再び300万人台となっている。〕、2011年には、トリップアドバイザーが「外国人に人気の日本の観光スポット」トップ20の第1位と発表した〔トリップアドバイザー「外国人に人気の日本の観光スポット」トップ20を発表 最も人気の高い日本の観光スポットは、広島県の宮島(厳島神社)に! 〕。原爆ドームとならんで広島県の代名詞的存在の一つとなっている。
景勝地としての厳島の中心は、厳島神社である。海上に浮かぶ朱の大鳥居と社殿で知られる厳島神社は、平安時代末期に平清盛が厚く庇護したことで大きく発展した。現在、本殿、幣殿、拝殿、祓殿、廻廊(いずれも国宝)などのほか、主要な建造物はすべて国宝または国の重要文化財に指定されている。皇族・貴族や武将、商人たちが奉納した美術工芸品・武具類にも貴重なものが多く、中でも清盛が奉納した「平家納経」は、平家の栄華を天下に示すものとして豪華絢爛たる装飾が施されており、日本美術史上特筆すべき作品の一つとされる。厳島神社および弥山(みせん)原始林は、1996年にユネスコの世界遺産に登録されている。海岸の一部が2012年(平成24年)7月3日ラムサール条約に登録された〔日本の9湿地を登録 広島・宮島など ラムサール条約 , 産経新聞2012年7月3日付.〕。
島の最高峰・弥山(535メートル)山頂から望む瀬戸内海の多島美も人気があり、毎年元旦未明には初日の出を目指す人で混み合う。この地を愛した伊藤博文は「日本三景の一の真価は弥山頂上からの眺望に有り」と絶賛し、それがきっかけで明治時代後期に弥山への一般登山路が整備された。1900年(明治33年)に定期航路が開設されると、それまで渡し船に頼っていた交通が改善し、島への参拝客・観光客が急増した。
島の全域(周辺海域を含む)が1934年昭和9年)に瀬戸内海国立公園に編入され、自然公園法が定める特別保護区域となっている。
1952年(昭和27年)には国の特別史跡及び特別名勝に指定され、弥山の原始林は国の天然記念物に指定されている。
かつて島全体が佐伯郡宮島町と一致していたが、2005年に廿日市市と合併した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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