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収束帯()は、音源から遠く離れた海面近くで音波の伝播経路(音線)が収束する領域のこと。ソナーによる遠距離探知に活用される現象である〔〔。 == 概要 == 対潜戦においては、敵の潜水艦の早期発見が常に問題となる。第二次世界大戦中より、アメリカ海軍では産・官・学合同の集学的アプローチによって水中音響研究を進めてきたが、大戦後、潜水艦の長距離探知に利用できる現象として着目されたのがこの収束帯であった。 海中において、低周波の音波はあまり減衰せずに遠方まで伝播するが、この際の伝播経路(音線)は直線状ではなく、大きく湾曲していることが多い。これは温度分布や塩分濃度、更には海底地形などの影響によるものである。そして、特に温度分布による条件が合致したとき、音線は正弦波のような大きな波を描き、それぞれの波の頂点が海面近くまで近づいてくる。すなわち、その正弦波の波長の整数倍に相当する距離付近であれば、音源から発振された音波を海面近くで聴知することができるようになる。このようにして、音波が水面近くに収束するところを海図上にプロットすると、音源を中心として同心円状の帯状海域が一定距離ごとに現れることになる。この帯状海域を収束帯と称する〔。 実測リポートにおいては、収束帯でのピーク値は球面拡散と吸収を考慮したレベルよりも、おおむね25デシベル高い値を示している。この増加分を収束利得()と称し、一般的には10〜15デシベル程度である。 厳密な出現位置は海象条件によって異なるが、例えば北大西洋の場合、音源を中心として、第1CZは、第2CZはに出現する。幅はおおむね距離の5〜10パーセント程度であり、例えば第1CZでは約3海里である〔。理論上は第3CZ、第4CZ等も出現しうるが、特に対潜戦の場合、実際に利用することは難しい〔。また、音源または受波器が深海にある場合、収束帯は2つの半帯に分かれて観測される〔。 なお、CZはあらゆる海域で見られるわけではなく、一般的には5,000メートル程度の水深が必要である。またそのような海域でも常時出現しているわけではなく、上記のような各種条件が合致して、ある意味で特別な水中環境が現出した場合にのみ観測可能となる〔。このため、例えばCZを利用可能な低周波ソナーであるAN/SQS-53であっても、実運用上の平均探知距離は、直接探知範囲()の4.86海里(9 km)以内であったとされている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「収束帯」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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