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古代末期(こだいまっき、英語:Late Antiquity, ドイツ語:)は、主としてヨーロッパから中東における、古典古代から中世への変遷の説明に用いられる時代区分のことである。 古代末期の範囲をどこに設定するかは議論の余地がある。この区分を初めに考案した歴史家ピーター・ブラウンは、2世紀から8世紀の間とすべきと提案しているが、通説的には3世紀から7世紀にかけてと考えられている。具体的には、ローマ帝国後期の「3世紀の危機」から、ヘラクレイオス(在位:610年 - 641年)治下の東ローマ帝国の再征服やイスラーム勢力の侵入の始まりまでに当たる。 7世紀にはイスラム勢力が出現し、東ローマ帝国領の大半とサーサーン朝を瞬く間に征服していった〔For a thesis on the complementary nature of Islam to the absolutist trend of Christian monarchy, see Garth Fowden, ''Empire to Commonwealth: Consequences of Monotheism in Late Antiquity'', Princeton University Press, 1993.〕ため、ピレンヌ・テーゼの支持者は、これが古代末期の終焉と中世の開始を決定づけたと主張している。 == 概要 == 「古代末期」という概念は、19世紀のドイツ人歴史家アロイス・リーグルの通読書が普及した頃から存在はしていた〔A. Giardana, “Esplosione di tardoantico,” ''Studi storici'', 40 (1999).〕。英国の歴史学会ではピーター・ブラウンの著書『古代末期の世界』(1971年)により、こうした見方が広まった。ギボン以来の歴史観と固定化された古代文化の観念を批判した彼の見方は革新的であった。「古代末期」の創始は既成の西洋文化の変遷の理解を一新し、リチャード・サウザーンの「中世」の創始に対抗するものと言える〔Glen W. Bowersock, “The Vanishing Paradigm of the Fall of Rome,” ''Bulletin of the American Academy of Arts and Sciences'', 49. 8 (May 1996) p.34.〕。 古代末期という概念では、主として以下の点が強調される。 * ディオクレティアヌス(在位:284年 - 305年)によって再編された後期ローマ帝国と、初期中世は連続性を持つ * 同様に、後期ローマ帝国とイスラームの到来までの東ローマ帝国(ビザンツ帝国)は継続的である * 中世文化の萌芽は、キリスト教が普及しつつあった時代のローマ帝国に見られる * 東ゴート族や西ゴート族のような、移住したゲルマン系民族の一部は、自身をローマの伝統の継承者だと見なしていた * 古典古代の価値観は、古典文化の破壊が見られる中世や初期ビザンツ時代を通しても継続している しかし一方で、418年のガリア・アクィタニア属州のゴート族フォエデラティの境界発生以降に始まる、民族移動時代におけるゲルマン系王国の割拠による初期ヨーロッパの崩壊という事実を軽視しがちな傾向にある〔A recent thesis advanced by Peter Heather of Oxford posits the Goths, Hunnic Empire, and the Crossing of the Rhine invaders of 406 (Alans, Suevi, Vandals) as the direct causes of the Western Empire's crippling; ''The Fall of the Roman Empire: a New History of Rome and the Barbarians'', OUP 2005.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「古代末期」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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