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台湾日本人女子大生殺人事件(たいわんにほんじんがくせいさつじんじけん)とは、1990年(平成2年)に、台湾へ一人旅をしていた日本人女子大学生がタクシー運転手に殺害され遺体を一部切断され遺棄された事件である。この事件で台湾に対する日本国内の感情が悪化したため台湾(中華民国)国内の観光産業が大打撃を受けた。 (''以下の記事では被害者及び加害者については匿名とする'') == 事件の概略 == 1990年4月2日、東京の女子大4年生の日本人女性(当時22歳)が台湾に到着した。国際青年の家に宿泊し翌日は台北市を観光した。4日の午前に家族宛に葉書を出して、昼ごろに自強号(特急に相当)に乗車し台南に向かった。そこで若い男と知り合い、彼の家に宿泊した。5日と6日は彼の案内で台南を観光した。そして7日の午前に彼女は家族に手紙を出した後で、台南駅から復興号(準急に相当)に乗車して高雄に向かった。昼ごろに高雄駅の改札口から出て以降、彼女は失踪した。 彼女が日本への帰国便として予約していた台北から成田国際空港行きのユナイテッド航空828便に搭乗せず、日本へ帰国しなかったため、彼女の母親は愛娘を探すために4月25日に台湾に向かい、日台交流協会を通じて正式に中華民国内政部警察署に捜査を依頼した。 台湾警察当局は各県市の捜査機関を動員して彼女の行方を捜査したが、発見することは出来なかった。6月27日になって高雄市の警官局は特別捜査本部「〇四〇七聯合專案小組」(合同専従捜査班)を設置し、懸賞金5万台湾元で情報提供を呼びかけ彼女の家族も日本円で50万円の懸賞金を提供した。 彼女と最後に接触したと見られる台南市在住の男性を、彼女の失踪事件の重要参考人として事情聴取したが、被疑者として拘束するだけの証拠は見つからなかった。7月7日に警察は彼女がすでに殺害されているとの情報を得て、台南県新市郷にある共同墓地に遺棄されているとして、大規模な捜索活動が行われたが発見されなかった。この情報は全くのガセネタであった。 9月6日に彼女の母親が3度目の訪台、彼女を探し出す後援会も立ち上げられたが、依然として彼女の行方に関する情報は得られなかった。10月に入りタクシー運転手の男性の供述に不自然な点があったが、精神的に不安定であったため、有力な証言を得られなかった。12月6日に警察署長は懸賞金を100万元に引き上げなんとしても彼女を見つけ出すことを命令した。 1991年1月4日、台中県后里郷のサトウキビ畑の中で白骨化した女性の遺体が発見された。後に歯のX線写真を照合して彼女であると確認された。日本では被害者の母親が、白骨化した遺体(モザイクなど修正なし)と対面して号泣するところにまでマスコミのカメラが入り込み、ワイドショーで放送された。 1991年3月4日に捜査機関は以前尋問した高雄市小港区在住のタクシー運転手を被疑者として逮捕した。彼の自白調書によれば1990年4月7日に高雄駅近くの建国三路の歩道をリュックサックを背負って歩いていた被害者と出会った。彼女が日本人で、筆談で彼女が宿泊する場所を探している事を知って、乗用車で小港区にあった宿泊所に連れて行ったという。2人は高雄付近にある澄清湖、鳳山及び大統デパートなどで遊んで、その夜は宿泊所で休んだという。 殺害の状況であるが、彼女に肉体関係を迫ったところ拒絶されたため、逆上して8日の明け方に弩を使い彼女の頭部に4つの矢を発射した後に頭部を切断しプラスチックの袋に入れ、遺体をシーツでくるみ、犯行時に着用していた血に染まった衣服、凶器、そして被害者の所持品を分散して遺棄したという。そして被害者の遺体は発見されることを恐れガソリンをかけて燃やし、被害者が寝ていた血染めの寝具も焼却したという。 1991年4月11日に被疑者は高雄地方検査署に移送され、刑法の殺人、死体損壊及び遺棄等で起訴された。11月24日に高雄地方裁判所は被告人に死刑判決を下したが、精神異常が亢進しているとして無期懲役と終身公民権剥奪に減刑された。なお被害者の遺体は1993年5月3日に台湾で火葬され、日本に帰国した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「台湾日本人女子大生殺人事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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