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『名探偵に乾杯』(めいたんていにかんぱい)は、西村京太郎の長編推理小説(一人称小説)。1976年(昭和51年)9月に講談社から書き下ろしで出版された〔西村京太郎 『名探偵に乾杯』 講談社〈講談社文庫〉、1983年、365頁(山下泰彦「解説」より)。〕。 推理小説史に残る有名な名探偵が登場する、パロディミステリ「名探偵シリーズ」4部作の最終作。以下の3人の探偵が登場する(登場順に記載〔同書7頁、17頁、18頁を参照。〕)。 # 江戸川乱歩の明智小五郎 # エラリー・クイーンのエラリー・クイーン # ジョルジュ・シムノンのジュール・メグレ(退職後)〔同書18頁。〕 第1作『名探偵なんか怖くない』から前作まではアガサ・クリスティのエルキュール・ポアロも参加していたが、本作は『カーテン』の後の作品のため、彼は登場しない。代わりにアーサー・ヘイスティングズが参加する。 なお、本作は『カーテン』に関する内容(ネタバレ)が含まれている。また本作は『カーテン』に対する一種のオマージュであり「主人公である探偵と旧知の人物が一人称で記述する」「記述者の娘が登場し、その言動に父親である記述役がやきもきする」といった共通点が見られる。 == あらすじ == ※本作は、小林芳雄(かつての小林少年)の一人称小説となっている。また、孤島を舞台にしたクローズド・サークルものでもある。 エルキュール・ポアロ死す……その訃報は全世界を駆け巡った。明智小五郎は親交のあった彼の死を悼み、7月20日〔同書16頁。〕に、ささやかな追悼会を提案する。その手配は、長年の助手である小林芳雄と、彼の娘である美泳子の手で行われた。招待状はエラリー・クイーンとメグレ夫妻に送られ、彼らは参加を表明。一方、ミス・マープルは招待を喜んだものの、健康上の理由とアガサ・クリスティの死にショックを受けて不参加〔同書20-21頁。〕、代わりにアーサー・ヘイスティングズが来日した。この件はマスコミが嗅ぎつけたために国内の参加希望者が殺到したが、静かに追悼したい、という明智の主旨を踏まえ、「今回は海外組のみで」と断り、国内参加者は後日改めて、と説明された。 追悼会は、静岡県賀茂郡西伊豆町〔同書22頁。〕にある孤島で行われる予定だった。その島は芳兵衛島といったが、小林芳雄はヤマツツジの花畑にちなみ「花幻の島」と呼んでいた。島には明智の別荘しかなく、普段は無人島で、自家発電の設備はあるものの、通信手段は備えていなかった。「事件解決後は、喧騒から離れていたい」、という明智の要望に応えたものだった。また、ポアロ追悼に際し、邸内は左右対称になるよう、一部改装してあった。 当日、飛び入りでポアロ・マードックという青年が現れる。彼はポアロの息子と名乗り、ポアロの遺稿、と称する原稿を所持していた。マードックの真偽を確かめる論争の最中、さらに新聞記者とカメラマンが訪れる。彼らはイタコを連れており、ポアロの交霊を試そうとしていた。記者らに同行して推理作家の岸井礼二郎も来ており、その上、「ヨットから放り出された」という若いアベックも現れた。 孤島では追い返すわけにもいかず、一同は彼らを迎え入れる。そして交霊会が始まった。その最中、一人が矢で殺される。マードックが探偵役を買って出るが、予想に反し、凶器と摩り替わったはずの「本物の矢」が見つからない。彼らの困惑をあざ笑うかのように、犯人は殺人を重ねる。またもマードックが推理を披露するものの、トリックは破れなかった。外部に連絡を取ろうにも、明智のモーターボートも岸井のボートもエンジンの部品を外され、身動きがとれない。 さらに第3、第4の殺人が。4人も死にながら、3名の名探偵は一向に動こうとしない。小林は焦れる。果たして名探偵たちは耄碌してしまったのか? そして犯人は誰か? そもそも、犯人の目的は? 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「名探偵に乾杯」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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