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吹雪型駆逐艦(ふぶきがたくちくかん)は、大日本帝国海軍(以下海軍)がワシントン条約下で建造した艦隊型駆逐艦である。 計画時の呼称は特型駆逐艦(とくがたくちくかん)。これは、1924年に艦政本部に対して要求された「新型駆逐艦」の過酷な要求を満たすため、艦政本部内に設けられた「特型駆逐艦対策委員会」の名称が基となっている。合計24隻が建造された〔#日本軍艦集2600年版p.45『一等驅逐艦 響(ひびき) 基準排水量1,700噸、長さ113.2米、幅10.3米、平均吃水2.97米、速力34節、備砲12.7糎砲6門、魚雷發者管9門、起工昭和5年2月21日、進水昭和7年6月16日、竣工昭和8年3月31日、建造所舞鶴海軍工廠-特型の建造は響を以て打切られたが、堂々23隻の大型驅逐艦の整備は世界に誇るものがある。』(既に沈没した深雪を含めると24隻)〕。 ただし、特型は次級である初春型駆逐艦と白露型駆逐艦〔#ポケット海軍年鑑(1935)p.50『一等驅逐艦"狭霧 さぎり"(略)我が海軍の有する驅逐艦中にて特型と呼ばれるのはこれ等の最新式大型驅逐艦の別称で、その第一に建造されたのが雪の附く4隻(現在深雪は除籍)で、その他に雲級(くもクラス)が4隻、波級(なみクラス)、霧級(きりクラス)が4隻、それに"朧 おぼろ" "曙 あけぼの" "漣 さざなみ" "潮 うしほ" "暁 あかつき" "響 ひびき" "雷いかづち" "電いなづま" 以上23隻の同型艦を有するわけである。そして其の後に現はれたものが"初春はつはる"以降9隻の1,368頓型の最新型であるがこれ等も上記のものと同様に特型と呼ばれてゐる。即ちこれ等特型驅逐艦合計32隻の活躍こそは将来不幸にして一朝事ある場合に於て我が艦隊の手足として又時には他艦種の缺を補ふ方面に活躍するものとして大いなる期待がかけられてゐるのである。』〕および朝潮型駆逐艦を含む呼称として使用された例もある〔#庭田、建艦秘話60頁『特型駆逐艦朝潮型 大潮・霰の艦影図』〕。あらたに登場した本型(特型駆逐艦)に対し、従来の睦月型駆逐艦・峯風型駆逐艦・神風型駆逐艦は『並型駆逐艦』と表現された事例もある〔#ポケット海軍年鑑(1937)p.49『一等驅逐艦"皐月さつき" 全要目 特型驅逐艦が生まれるまでの並型驅逐艦がこの"月"級とあとの"風"級で、1,315噸の同型艦に"如月 きさらぎ" "睦月 むつき" "文月 ふみづき" "彌生 やよひ" "卯月 うづき" "菊月 きくづき" "水無月 みなづき" "長月 ながつき" "三日月 みかづき" "夕月 ゆふづき" "望月 もちづき"の諸艦がある。わが驅逐艦はすべて艦首に驅逐隊の番號と舷側に片假名の艦名をかいてゐる。この月級の約半數が聯合艦隊に編入されてないから、閑地にゐると考へるのは、大いに間違つてゐる。上海事變に於ける呉淞上陸戰で、月級驅逐艦が如何にたゝかつたか未だ記憶にあたらしいことであらう。』〕。 「吹雪型」命名前(後述)の呼称は第三十五号型駆逐艦(だいさんじゅうごごうがたくちくかん)〔#昭和2年公文備考巻133『艦型 ... 駆逐艦 浦風 天津風型 江風型 峯風型 第一号型 第十九号型 第三十五号型 樺型 桃型 楢型 樅型 第二号型』〕、命名後は「吹雪型駆逐艦」で統一しており〔#艦艇類別等級表(昭和16年12月31日)p.8『驅逐艦|一等|吹雪型|吹雪、白雪、初雪、叢雲、東雲、薄雲、白雲、磯波、浦波、綾波、敷波、天霧、狭霧、夕霧、朧、曙、漣、潮、暁、響、雷、電、朝霧』〕、ネームシップの「吹雪」沈没後白雪型駆逐艦(しらゆきがたくちくかん)に改定され〔#内令昭和17年11月(4)p.24『内令第二千百十五號 艦艇類別等級別表中左ノ通改正ス 昭和十七年十一月十五日海軍大臣嶋田繁太郎|驅逐艦、一等ノ部中「吹雪型」ヲ「白雪型」ニ改メ同項中「、吹雪」「、叢雲」「、朧」ヲ、同朝潮型ノ項中「、夏雲」ヲ削ル』〕、さらに初雪型駆逐艦(はつゆきがたくちくかん)と改められた〔#内令昭和18年4月(1)p.20『内令第五百六十八號 艦艇類別等級別表中左ノ通改正ス 昭和十八年四月一日海軍大臣 嶋田繁太郎|驅逐艦、一等ノ部中「白雪型」ヲ「初雪型」ニ改メ同項中「白雪、」ヲ、同白露型ノ項中「、村雨」ヲ削リ同「朝潮型」ヲ「満潮型」ニメ同項中「、朝潮、大潮」「、「荒潮」「、峯雲」ヲ、同陽炎型ノ項中「時津風、」ヲ削ル(以下略)』〕。 == 概要 == ワシントン条約により、戦艦を始めとする大型艦の建造制限を受けた日本海軍が、条約の制限を受けない補助艦艇の整備を強化する方針を打ち出したことにより建造された新型駆逐艦が本型である。 二段式の甲板や凌波性能を追求した船形による良好な航海性能と、艦橋を露天式から密閉式に改めるなどの居住性の改善、排水量に対して重武装(砲塔式12.7cm連装砲3基、61センチ魚雷9射線を中心に配備し予備魚雷も搭載した)の本型の出現は、当時の列強海軍駆逐艦に衝撃を与えた。 日米戦勃発時には既に旧式艦と見なされていた本型は酸素魚雷こそ装備していなかったものの、太平洋戦争では水雷戦隊の主力や、空母護衛、輸送船団護衛として活躍したが、結果として損害も多く、建造された24隻の中で終戦時まで残存した艦は、2隻(潮、響)のみである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「吹雪型駆逐艦」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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