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『和宮様御留』(かずのみやさまおとめ)は、有吉佐和子の長編小説。文芸雑誌『群像』に1977年1月号から1978年3月号にかけて連載され、同年講談社から出版された。「和宮替え玉説」というショッキングなテーマが連載中から反響を呼び、単行本はベストセラーとなった。第20回毎日芸術賞受賞。2度テレビドラマ化され、しばしば舞台化されている。 == 概要 == 本作品は「和宮替え玉説」をストーリーの中核とする歴史小説である。公武合体のために和宮降嫁を急ぐ京都所司代酒井忠義(さかいただあき)と、頑強に拒否する観行院(かんぎょういん)・和宮母子、その間で右往左往する孝明天皇や公家衆、女官たちの動きを細かく追いながら、作者の創作した主人公の少女フキが、何も知らされないまま替え玉に仕立て上げられ、次第に精神の均衡を失っていくさまを冷静な筆致で描いている。また文中では御所言葉が多用されており、独特の雰囲気をかもしだしている。 この作品のテーマが「女性の立場から見た歴史の見直し」であることは作者も認め、批評家からも評価されているが、一方作者は自らあとがきで、和宮降嫁を太平洋戦争と重ね合わせ、この作品を「赤紙一枚で招集され、何も知らされないまま軍隊にたたき込まれ、適性をもたぬままに狂死した若者たちへの鎮魂歌」だとも書いている。実際、発狂に追い込まれていくフキの思考を描写する作者の視線は常にフキと同じ位置にあり、最後にフキが叫んだ「あて、宮さんやおへん」ということばは「発狂」しているにもかかわらず真実であるのに対し、なおもフキを「宮様」と呼んで押さえ込もうとする周囲のことばはいわば「正常なる虚偽」であり、両者のねじれたコントラストが劇的に浮かび上がるクライマックスとなっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「和宮様御留」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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