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和文タイプライター(わぶんタイプライター)は、和文(日本語)の文章を活字体で作成する機械装置である。杉本京太によって発明され、1915年に「邦文タイプライター」(2400文字)としてその原型が製品化されて以降、ワードプロセッサ登場以前に長い間使用されていた。和文タイプと略称される。 == 構造 == この装置は、英文タイプライターに見られる活字の付いたアームやキーボードは存在せず、活字の詰まった上下左右にスライドするバケット部と、それを機械的に取り出して、原稿にインクリボン越しに打ち付けるピックアップ、そしてその固定されたピックアップの下のバケット部に納められた活字の配列に対応した配列ボード(印刷してあるだけのシール)上で、現在ピックアップ出来る唯一の活字を示すファインダー(バケット部に固定され、上下左右に操作すると、それに応じてバケット部が動く)から成っており、後はピックアップを動作させるトリガーボタンが付いていた。 日本語文章の構成に必要な文字の数は欧文のアルファベットと比較して膨大であり、「1文字1キーで対応する」という欧文タイプライターの考えを単純に拡張しただけでは機構的に複雑になり過ぎ、実用化困難だと考えられていた。杉本は発想を転換し、「キーによる盤面操作で活字箱から任意の活字を取り出す」という機構を発明した。 タイプライターと銘打っているが、あくまでも清書用で、欧文タイプライターのように文章を考えながら高速で文字を入力するようなことは叶わず、ましてやキーを見ないで入力するタッチ・タイピングなどは不可能であった。このような文字入力の技術的限界から、志賀直哉のようにむしろ日本語の表記をローマ字化してしまおうと主張した人々さえ存在した(この主張はローマ字論と呼ばれる)。その後、ワードプロセッサを独自開発することで、日本語使用者はこの制約を乗り越えることになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「和文タイプライター」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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