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和牛預託商法(わぎゅうよたくしょうほう)は、和牛の飼育・繁殖事業に出資を募った上で、出資金を配当に回す自転車操業を行ったり、約束した配当を行わないという詐欺商法の一つで、現物まがい商法の一種である。 ==概要== 元々は、生産農家や協同組合などが和牛飼育に出資を呼びかけるもので、「一頭の和牛子牛に数人が共同して出資し、牛が売れたらお礼程度の牛肉を配当する」ものであった。数万円程度の出資で高級牛肉を購入するに等しく、この程度の投資呼びかけは現在でも続いているが、和牛預託商法は、これとは一線を画する。 具体的には、「高額で売買される和牛子牛の飼育に出資すれば、成牛になったとき多額のリターンが望める」や「繁殖母牛に出資すれば毎年生まれる子牛の売却代金で多額のリターンが望める」という触れ込みで、出資者から金を集める詐欺商法で、出資法に触れるような高利回りをうたったものも少なくなかった。 牛一頭を数人で共同出資する形態までは農協などと似ているが、小規模なものではなく、多数の出資者を集めて、実際の牛とはかけ離れて投資金額の額面と利回りだけが一人歩きしている特徴がある。実際には飼育していない和牛を多数飼育していると称して出資者から金を集め、配当せずに出資金を詐取することが多く社会問題になったが、最後に破綻した安愚楽牧場は実際に多数の牛を飼育していた為、実態があるかのように見え、詐欺であることの発覚が遅れ、被害者数・被害額共に他の和牛預託商法を大きく上回ることになった。 従来は1996年-1997年が事件被害のピークとされ、「特定商品等の預託等取引契約に関する法律」の特定商品に家畜が追加され規制されることになったが、2011年8月9日に最大の安愚楽牧場が破綻し、被害者数7万3356人被害総額4207億6700万円という最大の事件被害が発生し、改めて問題となった。 *和牛預託商法被害対策弁護団 *和牛の里共済牧場被害対策弁護団 *あさぎり高原共済牧場被害対策弁護団 *ふるさと共済牧場被害対策弁護団 *みちのく都路村共済牧場被害対策弁護団 *軽井沢ファミリー千紫牧場/安愚楽共済牧場被害対策弁護団 * :※ 安愚楽共済牧場はテレビCMによる略称の安愚楽牧場で知られ、事件被害が問題とされた企業の中で唯一生き残り「最後の砦」と言われていたが〔元金だけは返して」 ">安愚楽牧場:経営悪化 和牛オーナー商法、出資者ら「元金だけは返して」 - 毎日新聞 2011年8月2日 栃木版〕。 法規制もあり最盛期には17社あった和牛預託商法の企業は出資者からの返金要請に応じて次々に破綻し、軽井沢ファミリー千紫牧場とジェイファームの2社の元社長が出資法違反と詐欺により逮捕・起訴されるなどして、同商法の被害は一旦収まった。〔日本経済新聞「和牛商法事件、97年に一斉返金 社会問題化で 」2007年11月8日〕 しかし、ふるさと共済牧場は2001年(平成13年)8月1日付けで商号変更して「ふるさと牧場」に改称して事業を存続させていて、2007年に破綻した〔全国安愚楽牧場被害対策弁護団 、2015年7月25日閲覧。〕。支払能力がないにもかかわらず投資家を勧誘して資金を騙し取っていたとして2008年11月に同社社長ら6人が詐欺容疑で逮捕・起訴された〔日本経済新聞「詐欺容疑、全国で387億円詐取か ">和牛商法、社長ら逮捕 詐欺容疑、全国で387億円詐取か 」〕。低金利が続く中で「2年で7.8%の予定利回り」を謳ったパンフレットを郵送するなど従前と同じ手口で資金を集め〔中日新聞「和牛商法詐欺容疑で再逮捕 「ふるさと牧場」社長ら6人 」2008年11月29日〕、大部分が和牛とは無関係の元役員らの不動産投資などに使われ〔日本経済新聞「和牛商法、無関係の投資139億円 」2008年11月29日〕、一部を配当として支払いながらの自転車操業を続けていたもので〔、出資金が返還されていない新たな被害者は約8000人、被害総額は約226億8000万円と見積もられた〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「和牛預託商法」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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