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『喜びの琴』(よろこびのこと)は、三島由紀夫の戯曲。全3幕から成る。同じ思想を共有し、信頼していたはずの上司に裏切られる若い公安巡査の悲劇を描いた作品。第1幕が反共思想、第2幕がそのアンチテーゼ、第3幕第1場がそのジュンテーゼとしてのニヒリズム(これによって主人公は、修羅の地獄へ叩き込まれる)、第3幕第2場が救済の主題の昂揚、という色彩となっている〔三島由紀夫「『喜びの琴』について」日生劇場プログラム、1964年5月)〕。 1964年(昭和39年)、文芸雑誌『文藝』2月号に掲載され、同年2月25日に新潮社より『喜びの琴 附・美濃子』として単行本刊行された。初演は同年5月7日に日生劇場で上演された。文庫版はちくま文庫の『ちくま日本文学10 三島由紀夫』に収録されている。 『喜びの琴』は当初、文学座により1964年(昭和39年)正月公演として上演される予定で、前年1963年(昭和38年)10月24日に脱稿され、11月15日から稽古に入っていたが、ソ連・欧州から帰国した同座長・杉村春子を迎えての11月20日の緊急総会の決議の流れから、思想上の理由による上演中止が作者・三島へ申し入れられた。これをきっかけに三島とそれに同調する10数名の座員による脱退事件(「喜びの琴事件」)が起きた〔『決定版 三島由紀夫全集第42巻・年譜・書誌』(新潮社、2005年)〕。三島は、「いろんな事情で、この芝居ぐらゐ作者の私を苦しめ、又、多くの人を苦しめた作品はめずらしい」と述べている〔。 == 作品成立・主題 == 三島由紀夫は、公安活動という「地味で、扱ひにくい題材を用ひて、観客をアッといはせるやうなスリルに富んだ、面白い芝居」を書いてみようという意気込みだったとし、素材が地味だから、背景の事件を派手にしたと述べている〔三島由紀夫「『喜びの琴』について」(日生劇場プログラム 1964年4月)〕。 また三島は、『喜びの琴』の主人公の若い巡査・片桐を「一面気の毒な存在であるが、一面幸福な人間である」とし、彼が受ける裏切りと、作品主題について以下のように解説している。 なお、三島は1963年(昭和38年)2月に評論『林房雄論』を発表しているが、同時期に発表された他の作品との関連について、「僕の考えを批評の形で出したのが『林房雄諭』だし、小説にしたのが『午後の曳航』や『剣』で、『喜びの琴』はその戯曲といふことになります」と述べている〔三島由紀夫「三島由紀夫インタビュー」(週刊読書人 1963年12月2日号に掲載)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「喜びの琴」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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