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固定相場制(こていそうばせい)とは、各国政府間で、為替レートを固定・維持する制度〔高橋洋一 『高橋教授の経済超入門』 アスペクト、2011年、43頁。〕。 1944年に国際復興開発銀行(IBRD)と国際通貨基金(IMF)が設立され、自由貿易や資本移動の促進を目的に金1オンス=35ドルと定め、常にドルと金は交換可能とされた(ブレトン・ウッズ体制)〔。ここにドルを国際通貨(基軸)とするIMF体制が確立された。しかし、1973年に先進各国は変動相場制へと移行した(ニクソンショック)〔。 ==制度運営== 固定相場制を実現するためには、以下の二つの方法がある。 #中央銀行が要求される為替をすべて受け入れる。 #資金の移動を規制し、固定相場になるようにする。 2005年7月までドルに対する実質的な固定相場制を採用していた中国は2.の政策を採っていた。また、1960年代末の日本は多少の規制があったものの基本的に1の政策を採っていた。 当時の日本においては、将来的な円切り上げを見込んだドル短期資本の流入(円買い)に応えて日本銀行が円売ドル買介入をしていた。介入により固定相場制は維持できるが、市中に大量の円貨が出回る事態になる。これはティンバーゲンの定理が示すように、金融政策が為替相場の維持に用いられているため、金融政策による景気・物価の安定化が出来ない状態である。これにより金利は低下し信用創造の活発化を招くことになる。実際に、この時期列島改造ブームに乗って地価上昇を引き起こす引き金となった。 このままでは過度に景気刺激的な金融政策となるため、金利を引き上げ金融引締を行いたいと中央銀行が考えたとしよう。しかし固定相場制度の下で金利を引き上げれば、短期資本流入→円貨流出→金利低下となってしまい、金利を引き下げることは出来ない(→「固定相場制からの制約」)。これを防ぐために短期資本流入を制限すれば、金融市場は閉鎖的となり、自由な資本移動が妨げられ、国際分業による利益を得ることができなくなる。 このように、固定相場制・独立した金融政策・自由な資本移動の3つの政策は同時に実現することができない〔高橋洋一 『高橋教授の経済超入門』 アスペクト、2011年、44頁。〕。3つのうち、同時に2つしか実現できないのである(→「国際金融のトリレンマ」)〔。 そのため、日本は固定相場制を放棄した。中国も世界貿易機関(WTO)加盟後に同じ方向へ向かいつつある。(イギリスなど一部を除く)欧州連合(EU)諸国間においては、各国の『自由な金融政策』を放棄することで、固定相場制を維持している。この固定相場制とは、他ならぬ単一通貨「ユーロ」である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「固定相場制」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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