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大戦略(だいせんりゃく、)とは国家目的を達成するためにあらゆる国力を効果的に運用する戦略である。国家戦略 (National strategy)、全体戦略 (Total strategy)、統合戦略 (Joint strategy) とも言う。 == 概要 == 大戦略は国家目的を遂行する最高位の観点から、平戦両時に政治的・軍事的・経済的・心理的な国力を効果的に運用する統一的・総合的・全般的な戦略である。すべての戦略の問題と同様に、大戦略において考慮されるのは目標と手段の関係、すなわち国力と国益の関係の問題であり、どのように国力を適用すれば国益を実現することができるのかが重要な課題である。だからこそ、大戦略では軍事的手段だけでなく国政術(statecraft)で扱うような非軍事的手段をも研究の対象とし、政治的、経済的、社会的な次元についても考察する。このことが大戦略の複雑性と理解の困難を増大させている。大戦略が想定している事態は複合的であり、その領域は広範囲である。しかも大戦略は独立して作動するのではなく、複数の行為主体の大戦略が相互に影響し合って機能するためである。 この概念の提唱者であるリデル・ハートは総力戦の様相を呈した第二次世界大戦を踏まえながら、大戦略が国民の全ての資源を協調させ、また方向付けること、もしくは国民と根本的な政策によって定義された目標を結びつけることであるとして捉えている。リデル・ハートが強調していることは、戦略家が戦争の勝利だけを徹底することが戦後の平和にとって逆効果をもたらしうるということにあった。だからこそ、軍事戦略の上位概念として大戦略を位置づけることにより、戦争をより戦略的に遂行することができると考えた。このような大戦略の概念は核兵器を背景とする冷戦構造の下で抑止(detterence)を中心とする概念へと発展していった。大戦略という用語はより非軍事的な側面を強調した国家安全保障戦略(national security strategy)や国家戦略(national strategy)とも呼ばれるようになる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「大戦略」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Grand strategy 」があります。 スポンサード リンク
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