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国民防衛軍事件(こくみんぼうえいぐんじけん)は、朝鮮戦争中の1951年1月に、韓国の国民防衛軍司令部の幹部らが、国民防衛軍に供給された軍事物資や兵糧米などを横領した事件。横領により9万名余りの韓国軍兵士が餓死したとされる。 == 概要 == 国民防衛軍は、「国民防衛軍設置法(1950年12月16日公布)」に基づき、第2国民兵役該当者である満17歳以上40歳未満の将兵によって組職された韓国の軍事組織である。韓国政府は、中国義勇軍の朝鮮戦争介入で悪化する戦況を打開するために、約50万人の将兵達を51個の教育連隊に分散・収容して、国民防衛軍を編成した。しかし、早急に編成された軍隊であるため、将兵の動員・輸送・訓練・武装などのための予算不足、及び指揮統制の未熟など問題点が現われ始めた。 そのような中での1951年初頭、北朝鮮・中国両軍の攻勢を受けた韓国軍は、前線の後退(1・4後退)作戦を敢行し、国民防衛軍は50万人余りの将兵を後方の大邱や釜山へと集団移送することになった。しかし、防衛軍司令部の幹部達は、国民防衛軍のために編成された軍事物資や兵糧の米などを、不正に処分・着服した。その結果、極寒の中を徒歩で後退する将兵に対する物資供給(食糧・野営装備・軍服)の不足が生じ、9万名余りの餓死者・凍死者〔と無数の病人を出す「死の行進」となった。 この事件は国会で暴露され、真相調査団が設置された。調査の結果、人員数の水増し報告により国庫金23億ウォン、糧穀5万2000石が着服・横領され、食料品費の計上額と実際の執行額・調達額の差が約20億ウォンに上ることが明らかとなった。また、着服金の一部が李承晩大統領の政治資金として使われたことも明かされ、李始栄副大統領と、事件の黒幕と見られた申性模国防部長官が辞任した。 翌1951年4月30日、国会は防衛軍の解散を決議し、5月12日に解体された。同年7月19日に中央高等軍法会議が開かれ、国民防衛軍司令官金潤根(キム・ユングン、)、副司令官尹益憲(ユン・イクホン、)など5人に死刑が言い渡され、8月12日に大邸郊外の端山で死刑が執行された〔。 この事件によって、韓国陸軍本部では李承晩への反感が高まった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「国民防衛軍事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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