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国鉄EF13形電気機関車 : ミニ英和和英辞書
国鉄EF13形電気機関車[こくてついーえふ13かたちでんききかんしゃ]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [くに]
 【名詞】 1. country 
国鉄 : [こくてつ]
 【名詞】 1. national railway 
: [てつ]
 【名詞】 1. iron 
F : [えふ]
 ファロー四徴(症)
: [けい, かたち, ぎょう]
  1. (suf) shape 2. form 3. type
電気 : [でんき]
 【名詞】 1. electricity 2. (electric) light 
電気機関車 : [でんききかんしゃ]
 (n) electric locomotive
: [げ, き]
  1. (suf) (uk) seeming 2. giving the appearance of 3. giving one the feeling of
: [き, はた]
 (n) loom
機関 : [きかん]
 【名詞】 1. (1) mechanism 2. facility 3. engine 4. (2) agency 5. organisation 6. institution 7. organ 
機関車 : [きかんしゃ]
 【名詞】 1. locomotive 2. engine 
: [せき, ぜき]
 (suf) honorific added to names of makuuchi and juryo division sumo wrestlers
: [くるま]
 【名詞】 1. car 2. vehicle 3. wheel 

国鉄EF13形電気機関車 : ウィキペディア日本語版
国鉄EF13形電気機関車[こくてついーえふ13かたちでんききかんしゃ]

EF13形は、1944年(昭和19年)に登場した日本国有鉄道(登場当時は運輸通信省)の直流電気機関車である。
太平洋戦争中に戦時形車両として開発された機関車であり、その特異な出自に起因する複雑な変遷を辿った。
== 概要 ==

国鉄の貨物用大型電気機関車としては、1934年からEF10形が41両製造され、続いて1941年にその出力増強版のEF12形が開発されている。しかし、軍需輸送に対応するための輸送力増強が求められる一方で、戦時の資材不足が深刻化すると在来型機関車の生産自体が困難となり、EF12の機能を簡略化した代替機が求められた。こうした状況を背景に開発されたのが戦時形機関車であるEF13形であった。
EF13形は戦時設計の典型例であり、当座の戦争期間中をしのげればよいとする思想で設計された。そのコンセプトは外見からして一目瞭然である。戦前の国鉄大型電気機関車は両端先輪上デッキ部のみを残して動輪上部分一杯の全長を持つ箱形車体を標準とするが、EF13は使用鋼材を極力省略するため、車体前後にボンネット状の機器室、中央部に短い車体を備える「凸型」車体を用いた。しかも工作簡略化のため車体・ボンネット部ともスタイリングや仕上げ工作は全くしない、直線基調の粗末な造りになった。外観の評価は異様で貧相といった否定的な意見が占めていたが、必要な機能・材料に絞り無駄な意匠を排したデザインがスイス国鉄のCe 6/8 II形にも通じるものとなったことから精悍・勇壮・機能美といった肯定的な意見もある〔
RMライブラリー『国鉄EF13形』下巻まもなく完成。 - 鉄道ホビダス 編集長敬白 2010年1月17日〕。数少ない利点は、凸型車体のため乗務員室が車体中央に近く、車端に運転台を持つ通常型電気機関車よりも乗務員の動揺が少なかったことぐらいであった。しかし、冬期の運用は隙間風だらけの環境でありながら乗務員室暖房すら削減されていたため、その乗務には苦痛を伴った〔隙間風に関してはEF13に限ったことではなく、前面に内側開きの乗降扉を持つ旧形電気機関車全般の欠点であった。EF13の旧凸形車体は運転台が乗降扉と隔離された構造のため、隙間風に関してはまだマシだったという意見もある。これに抜本的な改善が加えられるのは、新性能電機のED60形で外吊り扉が採用されて以降である。〕。
一方で時局柄、航空機による銃撃に備える目的で乗務員室には防弾装備を施していた。乗務員室側面の内側に、厚さ13mmの鋼板を張り、外板との間にはを入れていた。
しわ寄せは内部にも及び、モーターや通風機器、保安機器類の配置、装備ともに安全性を犠牲にした簡素な設計を採っていた。最たる例は電装系の保護に大きな効果のある高速度遮断器を資材節減のために省略し、ヒューズで代用したことである。台車枠の車軸支持構造も、戦前の通常型機関車であれば装備していた緩衝部材を部分省略してリンクを台車枠への直付けにした。このように徹底した簡素化を行ったが、あまりに徹底して部材を省略した結果、車重が軽くなり過ぎて動輪上の軸重が不足したため、軸重確保目的の死重として16.4tにも及ぶコンクリートブロックを積むことになった。
EF12の最高出力(1時間定格1,600kW)などのスペックを落とさないという目標で開発され、名目上は同等性能とされたが、簡易設計や代用部材多用等の悪影響から計画性能の達成には至らず、実用上の性能は本来若干出力の低い筈のEF10形(1時間定格1,350kW)並とも言われた。制御系では弱め界磁段制御を使用すると主電動機の寿命が縮むという理由から、同機能は63系電車と共に使用不可の設定にされていた。粗悪な造りに加えて酷使も祟り、故障・事故を多発させて稼働率も低く、現場職員からは悪評を買い「木とセメントで造った機関車」と揶揄された。
1944年、東京機関区構内を会場に、新たに開発された戦時形車両の展示会が開催され、戦時形のD52形蒸気機関車トキ900形無蓋貨車と共にEF13も展示されたが、視察に訪れた当時の総理大臣東條英機が「寿命はどれくらいか」と尋ねたのに対し、立ち会った設計担当者の矢山康夫〔国鉄工作局局動力車課主任技師。のち国鉄東北支社長・常務理事を務めた。〕は困惑したが、とっさに「大東亜戦争に勝ち抜くまで保ちます」と応じてその場を取り繕ったという逸話が残されている〔矢山自身は、1966年4月に「鉄道ピクトリアル」誌のインタビューでEF13についての回顧を求められた際、戦時設計に伴う限界構造の追求や工作簡素化、資材節約効果などの功を挙げ、EF13の欠陥面を強く認めない態度をとった。この姿勢は、同誌323号(1976年8月)に寄稿された矢山自身の著述『戦時設計電気車両の思い出』でも同様である。〕〔矢山自身EF13の開発過程で、日立製作所の工場へEF13 1号機の出来栄え確認に赴いた際に防護が不十分な配線に接触して感電死しかけたり、高速度遮断器省略の説明に赴いた機関区では現場職員の抗議で軟禁されるなど、散々な目に遭った。〕。
戦時輸送即応のために簡素な設計を採ったにもかかわらず生産は滞り、戦争中に完成した車両は7両に留まった。製造は戦後も1947年まで続き、最終的に31両が製造されたところで、新たに開発された後継形式のEF15形が増備されることとなり製造は終了した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「国鉄EF13形電気機関車」の詳細全文を読む




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