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国鉄キ600形貨車(こくてつキ600がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した事業用貨車(ロータリー式除雪車)である。 本形式を改設計したキ620形についてもここで解説する。 == キ600形 == キ600形は1941年(昭和16年)の形式名変更により、キ300形を改番したものである。 さらにキ300形は、1928年(昭和3年)の車両称号規程改正により、ユキ300形を改番したものである。 つまり本車の内2両(キ600, キ601)は、合計2回名前を変更した車両である。 日本初のロータリー式除雪車として、1923年(大正12年)にアメリカ合衆国のアメリカン・ロコモティブ社(通称アルコ社)のクック工場で製造された2両(ユキ300, ユキ301)が輸入され、鷹取工場にて組み立てられた。車両の設計はアルコ社が3フィートゲージのリオ・グランデ鉄道向けに製造したものを元としており、車体内にボイラーと蒸気機関を備え、その動力を傘歯車によって車体前部に設けられた羽根車に伝えて回転させ、遠心力で雪を遠方に跳ね飛ばす。羽根車は左右どちらにも回転させることができ、その上部に設けられた案内蓋の向きで投雪方向を、羽根車の回転数で投雪距離を調節する構造となっている。台車は前位が三軸、後位が二軸のボギー台車で、台車中心間距離は4,300mmである。また、羽根車の駆動に蒸気機関を備える関係で炭水車を従えるが、価格を抑えるために炭水車は日本で調達することになり、廃車になった9300形蒸気機関車の炭水車を転用した。炭水車を含めた全長は17,343mm、全高は3,885mm、自重は70.1tで、換算両数は積車10.0、空車7.0である。 予算的に必要数全てを輸入することはできないので、鉄道省は本車を徹底的に調査して約5年後の1928年(昭和3年)に1両(キ302)が、苗穂工場にて試作の意味合いも兼ねて製造された。この車で使用した炭水車は、廃車になった8300形蒸気機関車の炭水車を転用した。 続いてキ303 - キ306が製造されたが、これらは輸入車の運用実績を元に羽根車の回転翼を10枚から8枚とした上でロータリー覆いの形状を変更、台車と車体を結び付けていたチェーンの廃止、軸箱等の部品を省標準型へといった設計変更がなされ、炭水車もD50形蒸気機関車と同じ20m³形炭水車を新規製造した。1935年(昭和10年)以降製造されたキ307 - キ313では羽根車の回転翼は9枚としロータリー覆いの側面には可動翼を備える形へと変更、車体後部の連結面には風除板を追加、炭水車は溶接構造となり炭庫上部の防雪覆いが製造時から備えられた。最後の製造となった1940年(昭和15年)製のキ614, キ615はロータリー覆いの形状を若干変更、車体側面の出入扉上部に雨樋を設けた。なお、キ603以降は炭水車を含む全長が18,460mmに伸び、自重は82t(積車では112tないし113t)と増大したが、換算両数は積車10.0、空車7.0のまま標記された。 輸入車やキ606以前の国内製造車も後年羽根車やロータリー覆い等をキ607以降に準じた形へ改造され、戦後には戦災や老朽化もあり大規模な整備や更新工事が行われた。富山駅常備であったキ612は昭和36年度貨車整備工事改造(1961年(昭和36年)9月28日総裁達第556号)により、松任工場にてハネ車回転装置の改造工事を行った。戦災により損傷したキ614は1947年(昭和22年)に汽車会社大阪工場で車体を作り直したが、その際には側面に雨樋のないキ613以前と同様の車体となって出場している。 キ615は樺太鉄道局に配属されたが、1945年(昭和20年)の終戦にともない樺太を占領したソビエト連邦に接収され、1990年代まで残存していた。 以上合計16両(キ600 - キ615)が製造され、日本各地の豪雪地帯に配属された。車体塗色は黒で、1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正では高速化不適格車とされて最高速度65km/hの指定車となり、識別のため記号に「ロ」が追加され「ロキ」となり黄1号の帯を巻いてる。 その後自走可能なDD14形ディーゼル機関車等の登場により活躍の場が狭められ、最後まで在籍した車が1974年(昭和49年)に廃車になり形式消滅した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「国鉄キ600形貨車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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