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1号形は、摂津鉄道が蒸気鉄道への転換時に導入した、タンク式蒸気機関車である。なお、この呼称は、同社では機関車に形式称号を付与していなかったため、便宜的に付したものである。 == 概要 == 1893年(明治26年)の摂津鉄道の蒸気鉄道への転換用に、スイスのスイス・ロコモティブ・アンド・マシン・ワークス(SLM)で4両を製造(製造番号 834 - 837)した、軌間762mm、外側式台枠の車軸配置0-6-0(C。軸距は1,100mm+1,000mm)、運転整備重量8.6t、2気筒単式の飽和式ウェルタンク機関車である。摂津鉄道では、製造番号順に、1 - 4と付番した。 弁装置は、クルーク式と呼ばれるジョイ式と同様のラジアルギア方式の一種で、日本では非常に珍しい方式である。主連棒の大端は、上方少し前にずらして取り付けられていた。また、主動輪は第2動輪であり、そのせいかシリンダーは1/6という急角度で高位置に設置されている。蒸気ドームは円筒形で、天板はネジ止めされており、平らな頂部には安全弁が設けられている。砂箱は蒸気ドームの後部に箱型のものが設けられた。 摂津鉄道は、1897年(明治30年)2月に阪鶴鉄道に譲渡され、本形式はそのまま阪鶴鉄道に籍を移した。旧摂津鉄道の鉄道路線のうち、本線部分は1897年(明治30年)12月に軌間1,067mmに改軌され、さらに翌1898年(明治31年)6月に残りの支線部分は軌間762mmのまま、孤立区間となった。この時点で本形式の運用は2両で十分となり、あとの2両は他社に譲渡されたと思われる。1901年(明治34年)、支線部分も東海道本線との立体交差化工事、及び改軌のために休止された。これにより阪鶴鉄道に残っていた本形式2両も運用を終了し、他社に譲渡されたと思われる。この結果本形式は、1897年に譲渡された2両と1901年に譲渡された2両で、別の運命を辿ることになったようである。 本形式のうち3, 4(製造番号 836, 837)は、長崎県の関西採炭松浦炭坑に譲渡され、番号もそのまま使用された。松浦炭坑は、その後所有者を転々としたが、1930年ごろには岡本彦馬の所有となり、その専用鉄道は1933年(昭和8年)8月16日付けで佐世保鉄道に買収されて同社の世知原線となり、本形式も同社の籍を得ることになった。ただし、佐世保鉄道籍となったのは4のみで、佐世保鉄道では、14と称した。もう1両の3は、それまでの間に事故で破損し、廃車となったらしい。しかし、その3の運転室部分は、ボールドウィン製の車軸配置0-6-0タンク機(後の佐世保鉄道13→鉄道省ケ600)に移植されている。 1936年(昭和11年)10月、佐世保鉄道が国有化されたため、本機は鉄道省に籍を移し、ケ215形(ケ215)と改番された。用途は、国有化前から世知原駅での入換で、1938年(昭和13年)にケ600が廃車になると、その代機として臼ノ浦駅に移転した。しかし、1939年(昭和14年)には東唐津に転属し、据え置きボイラー代用とされた。廃車は1944年(昭和19年)5月で、処分は解体であった。 なお、阪鶴鉄道1, 2については、何処かに譲渡されたものと思われるが、その行方は判明していない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「摂津鉄道1号形蒸気機関車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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