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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 圧縮 : [あっしゅく] 1. (n,vs) compression 2. condensation 3. constriction 4. compaction ・ 比 : [ひ] 1. (n,n-suf) (1) ratio 2. proportion 3. (2) Philippines
圧縮比(あっしゅくひ、/CR)とは、内燃機関及び外燃機関の内燃室(ないねんしつ)において、最も容積が大きくなる時の容量と、最も容積が小さくなる時の容量の比率を表す値であり、一般的な熱機関の基本的な仕様となる値でもある。 ==概要== レシプロエンジンにおいては、内燃室はシリンダー、ピストン、燃焼室で構成される。ピストンがシリンダー内部で上下動する時、ピストン下死点の時に内燃室容積は最大となり、ピストン上死点の時に内燃室容積は最小となる。この比率がそのエンジンの圧縮比である。〔 〕 例えばシリンダーが900 cc、燃焼室が100 ccの容積を持ち、なおかつ平坦なピストントップのピストンを用いていて、ピストンが下死点にある時に内燃室全体が1000 ccの容積を持つ単気筒エンジンを例〔なお、この例ではヘッドガスケットの厚さなどのクレビスボリュームは考慮していないので注意されたい。〕に取ると、ピストンが上死点に達するとシリンダー内の容積は1000 ccから燃焼室そのものの容積である100 ccまで圧縮される。この時、内燃室の最大:最小容量比は 1000 : 100 となり、圧縮比として表すと 10 : 1 となる。 もしもこのようなエンジンにて燃焼室を切削して容積を150 ccに増やした場合には、内燃室最大容積は1050 ccとなり、圧縮比は 1050 : 150 = 7 : 1 となる。 逆に、燃焼室はそのままでピストントップが10 cc盛り上がったピストンに交換した場合、上死点の時の容積がそれぞれ10 cc減るため、圧縮比は 990 : 90 = 11 : 1 となる。 エンジンがより高い熱効率を発揮して、同じ量の混合気からより大きな運動エネルギーを取り出すためには、圧縮比は高い方が理想的である。圧縮比が高ければ高いほど、排気量と投入燃料量が同じでもピストンを押し下げる圧力が大きくなるためである。一般的に、同じ系列のエンジンでも高い圧縮比のエンジンは低い圧縮比のエンジンより高出力・高トルクである場合が多い。 しかし、高い圧縮比を持つガソリンエンジンは、品質の悪い燃料を使用した場合にノッキングを起こしやすくなる。これが余りにも酷くなるとプレイグニッションやデトネーションといった異常燃焼に発展し、最終的にはピストン溶損などのエンジンブローに至ってしまう。これを防ぐためにはハイオクガソリンを用いるか、点火時期を通常よりも遅らせることが必要になる。1970年代後半に電子制御式燃料噴射装置が登場すると、エンジンにはノッキングを検出して自動的に点火時期を遅らせるためにノックセンサーが多くの車両で用いられるようになり、アメリカでは1996年にOBD-II準拠のECUの搭載と同時にノックセンサーの搭載も義務付けられるようになった。 点火時期を遅らせるということは、それだけ混合気の膨張エネルギーのロスも大きくなるため、馬力やトルクの低下に繋がる。そのため、ガソリンエンジンにおいては極端に高すぎる圧縮比は点火時期設定の制約が大きくなり、却って性能低下に繋がるという事態になる。 その一方で、圧縮点火機関であるディーゼルエンジンは、圧縮力によって燃料を自然発火させる構造上、ガソリンエンジンでいうノッキングを意図的に起こすことで点火するため、ガソリンエンジンよりも高い圧縮比を設定することが可能となる。故に、高圧縮比に耐えるエンジンにせざるを得ないと言うコスト面でのハンデはあるものの、ディーゼルエンジンの方がガソリンエンジンよりも熱効率に優れるという結論ともなる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「圧縮比」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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