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城壁冠()は、ヘレニズム文化において女神テュケーが被っていた冠。城壁のような形をしている。 == 概要 == テュケーは都市の幸運を体現した女神であり、ローマではフォルトゥーナに相当する。同じくヘレニズム期の女神キュベレーが被っている「ポロス (polos)」と呼ばれる冠も城壁冠の一種である。特にこの大地母神を都市の守護神とした場合に城壁冠を被っていることが多い〔城壁冠が都市を擬人化した際の特徴ではないかという説については、F. Allégre, ''Étude sur la déesse grecque Tyché'' (Paris 1889), pp 187-92.〕。 城壁冠は、古代ローマで軍隊の勲章に使われた。古代ローマの ''corona muralis''(ラテン語で「壁で囲まれた冠」の意)は金の冠または狭間胸壁を真似た形状の金の輪で、攻撃対象の都市や要塞の城壁を最初に登って旗を立てた軍人に授けられた〔Aulus Gellius, ''Noctes Attici'', V.6.4; Livy, ''Ab Urbe Condita'', XXVI.48〕。ローマの城壁冠は金製で、後述する紋章のようにタレットに似せた凸凹があった〔''muri pinnis'' according to Aulus Gellius〕。軍人の勲章としては最高のものとされていたため、申し出があっても厳密な調査を行ってからでないと授与されなかった〔Livy. l.c.; cf. Suetonius, ''Lives of the Twelve Caesars'', Augustus 25.〕。捕獲した船を象徴するロストラを組み合わせたロストラータ型城壁冠は、海軍での勲章として使われた(城壁冠の左右に船首が追加されている)。海軍には他に海洋冠もあった。 女神ローマは、ギリシアの硬貨に城壁冠をかぶった形で描かれており、ギリシア都市国家の守護者としてのローマを表している〔 Mellor, R., "The Goddess Roma" in Haase, W., Temporini, H., (eds), ''Aufstieg und Niedergang der romischen Welt'', de Gruyter, 1991, pp 60-63.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「城壁冠」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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