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堺泉北臨海工業地帯(さかいせんぼくりんかいこうぎょうちたい)は、大阪湾に注ぐ大和川 - 大津川間の沿岸部を埋め立てて造成された工業地域。堺泉北臨海工業地域とも〔学校教育での呼称。学習百科事典 学習研究社 〕。大阪府堺市堺区・西区、高石市、泉大津市にまたがり、堺泉北港の港湾機能を持つほか、石油・化学・鉄鋼・金属などの工場、発電所、ガス製造所などが立地。大阪府の製造品出荷額のおよそ14%を占める。 ==概要== *面積:約2,000ha *事業所数:253(4人以上の事業所) *従業者数:16,096人 *製造品出荷額:2兆4899億3992万円(大阪府の製造品出荷額の13.7%) *石油・石炭:1兆27億6334万円(7事業所、製造品出荷額全体の40.3%) *化学:5930億2936万円(54事業所、同23.8%) *鉄鋼:4872億5934万円(33事業所、同19.6%) *金属製品:1010億5927万円(69事業所、同4.1%) (大阪の工業(平成20年)工業統計調査結果表) 1957年~1966年に堺市の沿岸部が、1961年~1972年に高石市(当初は高石町)および泉大津市の沿岸部が整備され、計1,711.4haが造成された。同時に、企業専用埠頭が約8割を占める堺泉北港が整備され、鉄鉱石など船舶により海外から輸入された原材料を加工して輸出する石油コンビナートとして機能。高炉を持つ新日本製鐵堺製鐵所や日立造船、三井東圧化学、丸善石油などの工場に関西電力、大阪ガスの発電所・ガス製造所がエネルギーを、大阪府が工業用水を供給。中小企業による繊維や金属・機械工業が中心であった阪神工業地帯の産業高度化に寄与し、高度経済成長期の大阪・関西経済を牽引した。 一方、この工業地帯の造成によって泉北地域の漁業はおおむね衰退。大浜・浜寺・高師浜・助松などの海水浴場をはじめ、白砂青松で知られた自然海浜が失われたことに対する批判も少なくなかった。なお、石津川 - 王子川間の沿岸部は浜寺水路によって泉北1区と切り離されているが、これは石油分野の立地が泉北1区に集中することへの安全対策の他に、浜寺公園の保存も大きく関与している。昭和40年代後半から大阪府南部で頻発した光化学スモッグとの関連を指摘する声もあるが、臨海工業地帯との因果関係は必ずしも明確ではない。 高度経済成長が終焉し、重化学工業は徐々に衰退。製造品出荷額は1990年の約2兆円をピークに低下した。新日本製鐵が高炉を廃止、日立造船が造船部門を移転。地域内に遊休地が目立つようになった。1992年12月の大阪湾臨海地域開発整備法の成立を受けて、大阪府は次の内容を盛り込んだ大阪湾臨海地域整備計画を策定した〔シャープ堺工場の進出などにより、その後の姿はこの計画とは異なる。〕。 *堺北臨海地区 - 堺2区の低未利用地を中心に、工場以外の整備を計画。国際マリーナ、医療関連研究施設、環境研究・教育施設、大規模スタジアム。このほか共生の森や干潟を整備し、自然環境の回復も図る予定。 *高石・泉大津地区 - 泉北ポートサービスセンタービル 2004年に、三井化学や、関西電力、宇部興産などの民間企業9社と大阪府、堺市、高石市が任意団体『堺・泉北臨海企業連絡会』を結成した。技術、環境などの分野で協力できる事業を模索し、官民一体となって地域振興策を協議することを目的としている。2006年11月の総会では、活性化計画として年度内に『堺・泉北ベイエリア新産業創生プログラム』を作り、事業などの方向性を示す事が決定された。 2009年4月、関西電力は堺港発電所(出力200万kw)の設備を高効率コンバインドサイクル発電に更新〔設備は2010年10月までに順次更新〕〔2006年1月には堺LNG基地を稼動。基地の運営会社である堺エル・エヌ・ジーは、2000年12月1日に、関西電力70%、岩谷産業、コスモ石油各12.5%、宇部興産5%出資の合弁会社として設立された(資本金10億円)。〕し、大阪ガスはLNGを利用した泉北天然ガス発電所(出力110万kw)を新たに設け、運転を開始した。 2009年10月、第10世代のガラス基板を使った液晶パネルを生産するシャープ堺工場が稼動を開始した。大日本印刷(液晶パネル関連部品)、コーニング(米ガラス大手)など液晶関連部品企業も立地。2010年3月にはシャープの太陽電池工場も稼動し、世界全体の太陽電池生産量の半分に相当する1000メガワットの生産能力となる予定。これらの総投資額は1兆円程度と報じられた。 また、阪神高速4号湾岸線の延伸で、近畿の主要都市や関西空港へのアクセスが向上し、運輸会社や流通系企業などの物流センターも立地している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「堺泉北臨海工業地帯」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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