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夏のない年(なつのないとし、)は、北ヨーロッパ、アメリカ合衆国北東部およびカナダ東部において夏の異常気象(冷夏)により農作物が壊滅的な被害を受けた1816年を指す〔Saint John New Brunswick Time Date 〕〔The Quebec Chapter of the Canada Country Study ''Climate Impacts and Adaptation'' executive summary 〕 。この年の気候異常は太陽活動の低下と前年までの数年間、大火山の噴火が続いたことによる火山の冬の組み合わせにより引き起こされたと見る向きが大多数である。1815年のインドネシア中南部、スンバワ島に位置するタンボラ山の噴火は過去1600年間で最大規模である。歴史家のジョン・デクスター・ポストは「夏のない年」を「西洋において最後で最大の危機」と呼んだ〔Evans, Robert Blast from the Past , ''Smithsonian Magazine''. July 2002〕。 == 概要 == 1816年の気候異常はアメリカ北東部、カナダ東部および北ヨーロッパにおいて多大な影響を及ぼすことになった。アメリカ北東部やカナダ南東部は春から夏にかけての気候は比較的安定している。平均気温は20℃から25℃ほどであり、気温が5℃を下回ることは稀である。夏に雪が降ることは極めて稀であるが、5月に吹雪が起こることはある。 1816年5月〔Weather Doctor's Weather People and History: Eighteen Hundred and Froze To Death, The Year There Was No Summer 〕、霜が発生したため農作物の大部分が壊滅的な被害を受けた。6月にはカナダ東部およびニューイングランドにおいて2つの大きな吹雪により多数の死者が出た。6月初めにはケベックにおいて30cmもの積雪が観測され、農作物が被害を受けた。夏に栽培される植物の大部分は霜がわずかに発生しただけでも細胞壁が破壊されてしまう。まして土壌が雪で覆われてしまえばなおさらである。この結果、この地域では飢餓や伝染病が発生し死亡率が上昇した。 7月と8月にはペンシルベニア州の南にて湖や河川の凍結が観測された。気温の急激な変化が頻発し、わずか数時間で平年以上の気温である35℃あたりから氷結するほどまで気温が低下することもあった。ニューイングランド南部においては農作物はある程度は成長したが、トウモロコシや穀物の価格が急騰した。例えば、エンバクの価格は前年は1m3あたり3.4ドルだったが、これが1m3あたり26ドルまで上昇した。 清(中国)においては特に北部で、寒さのために木々が枯れ、稲作や水牛も被害を受けた。残りの多くの農作物についても洪水によって壊滅した。タンボラ山の噴火によって季節風の流れが変化したため長江で破滅的な大洪水が発生したのである。ムガル帝国(インド)においては、夏の季節風の遅れにより季節外れの激しい雨に見舞われ、コレラが蔓延した〔Discovery Extreme Earth 〕。 影響は広範囲に及び、翌年以降も続いた。1817年の冬は特に厳しく、気温が-32℃まで低下したこともあった。アッパー・ニューヨーク湾は凍結し、ブルックリン区からまで馬そりで渡ることができた〔Edwin G. Burrows and Mike Wallace, ''Gotham: A History of New York City to 1898'' (Oxford University Press) 1999:494.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「夏のない年」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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