|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 夏 : [なつ] 1. (n-adv,n-t) summer ・ 花 : [はな] 【名詞】 1. flower 2. petal
『夏の花』(なつのはな)は、原民喜の短編小説。自身の広島での被爆体験を基に書いた作品。 == 概要 == 被爆直後にしたためられていた原の日記(「原爆被災時のノート」)をもとに〔原民喜の伝記を著した岩崎文人によれば、本作品の内容は作者・原の被爆体験と全く同じものではなく、避難中の食事、長兄の息子たちとの邂逅など「ノート」に記されていても小説中に言及がないものもあり、逆に「私」が川でおぼれていた少女を泳いで救うシーンは「ノート」に言及がなく近親者の回想でもでてこないことなどからフィクションではないかと疑われている。岩崎『原民喜 - 人と文学』勉誠出版、2003年、pp.173-174。また戦後の随筆「原爆回想」は本作で描かれた被爆体験を扱っているが、内容は若干の違いがある(先述の救助シーンも登場しない)。〕、1945年11月までの数ヶ月の間に、避難先の広島県佐伯郡八幡村(現在の広島市佐伯区東部)で執筆された。原題は「原子爆弾」であった。 最初『近代文学』創刊号に掲載される予定であったが、GHQの検閲を考慮し、1947年6月号の『三田文学』に発表された〔岩波文庫版の佐々木基一(原の義弟)の解説(p.209)によれば、総合雑誌並の厳しい検閲対象となっていた『近代文学』よりも純文芸誌である『三田文学』の方が検閲をパスしやすいのではないかとの判断があった。〕。また原の承諾の上で、被爆者の描写などいくつかの箇所について削除がなされ、題名も一見戦争とは関連性が薄い「夏の花」と改められた。発表後、1948年の第1回水上滝太郎賞を受賞した。 この作品に続いて発表された「廃墟から」「壊滅の序曲」〔前者は『三田文学』1947年11月号、後者は『近代文学』1949年1月号に発表。〕の2作品とあわせて「夏の花三部作」と称された〔ただし作品中の時系列は被爆前を描いた「壊滅の序曲」→「夏の花」→八幡村での避難生活を描いた「廃墟から」の順になる。〕。1949年2月には、三部作の他に小説3作品や詩1編、エッセイなどを収録した単行本『夏の花』が能楽書林から刊行された〔併収された小説作品は、「3部作」と内容的に深い関係を持つ「小さな村」(避難先での生活の描いたもの)、「昔の店」(実家である軍需工場の栄枯盛衰の回想)、「氷花」(上京後の生活を描いたもの)である。〕。しかしこの時点でも初出時の削除部分は欠落したままであり、原の原稿をもとに作品が完全な形で公表されたのは、彼の死後1953年3月に刊行された『原民喜作品集』(角川書店版)においてであった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「夏の花」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|