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夏樹 静子(なつき しずこ、本名:出光 静子(いでみつ しずこ)、1938年12月21日 - 2016年3月19日)は、日本の小説家、推理作家。旧姓名の五十嵐 静子名義による作品もある。 。夫である新出光社長の出光芳秀〔(いでみつ よしひで)は。 == 来歴・人物 == 東京府(現東京都)生まれ。慶應義塾大学英文学科卒。1960年、大学在学中に五十嵐静子名義で執筆した「すれ違った死」が江戸川乱歩賞候補となり、それがきっかけでNHK総合テレビの推理クイズ番組『私だけが知っている』のレギュラーライターに抜擢され、以後3年間で約30本の脚本を執筆する〔。この番組には鮎川哲也、島田一男、土屋隆夫ら、のちの巨匠作家(当事は中堅、新進クラス)が多く脚本で参加しており〔、その顔ぶれの豪華さもあって後年脚本集なども出版されている。1962年3月、夏樹しのぶ名義で短編「赤い造花」を『女学生の友』増刊号に〔、同年6月に中篇「ガラスの鎖」〔のちに「影の鎖」と改題された。〕を『宝石』に発表〔。1961年秋には仁木悦子、戸川昌子らと女流推理小説作家の会「霧の会」を結成し、名実ともに女流作家の仲間入りを果たすが〔、1963年、大学卒業後すぐに結婚して福岡市に移り住んだため早くも作家への道を諦め、主婦業に専念することとなる〔。その後4年ほどは執筆のことなど忘れたように過ごしたが、ある日自分の長女を胸に抱いていた時、人生経験がほとんどない自分が唯一実体験できた”母と子のありさま”を書いてみたいという突然の衝動を覚え、『天使が消えていく』を執筆〔。1969年、夏樹静子名義でこれを応募したところ第15回江戸川乱歩賞の最終候補に残り、再び注目される。同年10月、長男を出産〔。1973年、『蒸発』で第26回日本推理作家協会賞を受賞〔。『第三の女』は仏訳され、1989年、第54回フランス犯罪小説大賞(ロマン・アバンチュール大賞)を受賞〔。中国語訳『蒸発』『Wの悲劇』は、北京探偵推理文芸協会賞の翻訳作品賞を受賞(1998年、2001年)。 シリーズ作品として「検事 霞夕子」シリーズや「弁護士 朝吹里矢子」シリーズなどがあり〔、これらのシリーズは短編集として刊行されたもので、テレビドラマ化もされている。 エラリー・クイーンに私淑しており、親交があった。1982年にはクイーンへのオマージュ作ともいえる作品『Wの悲劇』を刊行。クイーンの作品『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』をもじったタイトルで、事前にクイーンに許可を求めた上で書いたものである。『Wの悲劇』は、薬師丸ひろ子主演で映画化され話題を呼んだ(ただし、映画は夏樹静子の『Wの悲劇』を舞台で演じている女優がスキャンダルでのし上がっていくというオリジナル・ストーリーであった)。夏樹も約300本ある自身の作品の中で、指折りのミステリーと自負している。 1984年にはノンフィクション『妻たちの反乱』がベストセラーとなり、続編も書かれている。1992年に『白愁のとき』で老いの問題を扱い、1997年には自身の体験を綴った『椅子がこわい-私の腰痛放浪記』を刊行、精神的原因から来る身体の不調について広く知らしめ、日本で心療内科が広まるきっかけを作り、同書は今でも版を重ねている。また1999年に試験管ベビーの問題をミステリー形式で扱った『茉莉子』を刊行、女性の視点から数々の社会問題に取り組んでいる。 囲碁が趣味。一時期ドライアイに陥り、碁石の白黒が眼に刺激を与えて良くないと医者に言われたため、52歳の時、濃い緑と薄い緑の「グリーン碁石」を開発〔。これが一般にも普及し、この功績で日本棋院から大倉喜七郎賞を授与されている。現在「夏樹静子杯グリーン碁石囲碁大会」が年1回開催されている〔。 2003年に制度がスタートした「福岡地方裁判所委員会」で2期4年、それが終わるころに最高裁判所の下級裁判所裁判官指名諮問委員会の委員もつとめるなど作家活動の傍ら裁判関係の仕事も多数しており、その経験が作品にも生かされているという〔。 2007年、ミステリー文学の発展に貢献したとして、日本ミステリー文学大賞を受賞〔。 2008年10月、日本司法支援センターの顧問に就任〔。 2016年3月19日、心不全のため福岡市内で死去〔。77歳没。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「夏樹静子」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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