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外物 : ミニ英和和英辞書
外物[がいぶつ]
【名詞】 1. external object 2. foreign matter
===========================
: [そと, ほか, げ, がい]
 【名詞】 1. other place 2. the rest 
外物 : [とのもの, がいぶつ]
 【名詞】 1. external object 2. foreign matter
: [もの]
 【名詞】 1. thing 2. object 
外物 : ウィキペディア日本語版
外物[とのもの, がいぶつ]
外物(とのもの)とは、日本武士武術の流派において、中心となる技術以外の、他流の技や他の武器に対する技についての教え、そして日常の生活場面を含めて、様々な場面における心得やそこで必要とされる技法などの総称〔山神 真一,和田 哲也『居合と剣術の技法に関する一考察--武術における外物との関係から』香川大学教育学部研究報告. 第1部 / 香川大学教育学部 編 1987年 69号〕。または外に出た際(厳密には建物内でも)、危急の変に備えての対処法を指し、そうした術の総称〔『月刊剣道日本 特集 不動智神妙録』 1980年 pp.112 - 113〕〔外物は武器に限定した術ではないし(伯耆流では、当身も外物として語っている)、まして暗器を指したものでもなく、特定の武器術を指した語でもない。〕。
== 概要 ==
外を「と」と読む〔。諸流の巻物には、「外物之事」、「外物次第」の他、新陰流では、「外物謀略」とも記し、一刀流では、目録の『正解弁疑極秘論』の中に外物指等を述べていて、流派における実戦的な極意として語られる面もある〔(例として、天流)。多くの場合、流派の中心技術や主要な形以外の教えや形、技術、武器などを指しており〔宮本武蔵は『五輪書』において、剣術に対し、「槍や薙刀を外(と)の物という」と記している。〕、剣術のみならず、様々な武術種目においても語られている〔伯耆流居合など。流派によって指すものは異なる。少なくとも、兵法書として「外物」の語を用いている以上、「それ以外」という意味ではない。 〕、日常から不覚を取らぬようにする為の武士の重要な術の一つで、庶民から見て、不意を突かれた武士が超人的な対処を行っているように見えるのも、外物を学び、身につけている為(後述)。
外物の例としては、日常生活を送る上での危険から身を守る方法、例えば家内・角道(廊下も想定される)などにおける注意点・対処法も記してあり、「どのような時でも、自らを外に置く気で、いつ襲われてもおかしくない状況に身を置く」思想〔、常在戦場の心得のような教えが多い。例えば、疋田景兼の系統で伝承された『新陰流外物謀畧之巻』には、門の出入り、囲炉裏、庭、縁側、食事等の日常生活の場面についての教えがあった。
また、武芸者の逸話にもこのような日常生活の隙についての逸話は多く、水戸藩の剣術師範の和田平助(新田宮流)は、日頃の油断を無くす為、我が子の帰宅を襲ったり(家=内に入る直前の安心感を消す為)〔子を戸口で襲うといった武家の教育は、近世以降も一部で続いており、斎藤一の長男が子に対して行っている(斎藤一#剣術の晩年の方も参照)。〕、寝ている所へ打ちかかったりして鍛えたり〔、内にいるという安心を無くす為の奇襲を繰り返した。
寝込みを襲われるというのも危急の変であり、対策は昔から考えられてきた。戦国武将である佐竹義重の場合は、寝床を常に変えて床下から来る暗殺を警戒したという逸話が残る〔読売新聞 2011年1月19日水曜付、一部参考。暗殺を恐れて常に寝室を変えるという話だけなら始皇帝の行動がある(『史記』)。徳川家康の場合、いつでも出陣できるよう、座ったまま寝たという逸話があり、忍者なら横寝をする際、必ず左半身を下にし、いきなり襲われても心臓だけは守れるような体勢で寝た。〕(あくまで対策であって、術として体系化されたものではないが、古くから習慣としての基礎がある)。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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