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多宝塔(たほうとう)は、寺院建築のうち仏塔における形式のひとつである。現代の寺院建築用語・文化財用語としては、一般に、平面が方形の初層の上に平面が円形の上層を重ね、宝形造(四角錐形)の屋根を有する二層塔婆を「多宝塔」と呼称する。宝塔という呼称もあり、現代の寺院建築用語・文化財用語では円筒形の塔身に宝形造(四角錐形)の屋根を有するものを「宝塔」と称して「多宝塔」と区別している。ただし、「宝塔」はもともと塔婆一般の美称であり、これらの呼称の区別は便宜的なものである〔『日本建築史基礎資料集成 12 塔婆II』、p.3〕。また、多宝塔は主に真言宗系の寺院で見られるのも特徴である。 == 多宝塔の出典 == 多宝塔は、「法華経」見宝塔品第十一に出てくるもので、釈迦が霊鷲山で法華経を説法していると多宝如来の塔が湧出し、中にいた多宝如来が釈迦を讃嘆し半座を空け、二如来が並座したとされることに由来する。 見宝塔品には、「世尊(釈迦)が説法をしていると、大地から巨大な七宝塔(金、銀、瑠璃などの七宝で造られた塔)が涌出(ゆじゅつ)し、空中にそびえた」との説話がある。この宝塔は過去仏である多宝如来の塔であった。塔内にいた多宝如来は釈迦の説く法華経の教えを讃嘆し、正しいことを証明して半座を空け、釈迦とともに並んで座ったと説かれる。「多宝塔」の名称はこの法華経の所説に由来するものと思われる。ただし、漢訳経文中の用語は「宝塔」または「七宝塔」となっている。これらの記述から多宝塔に二如来を安置する場合は、向って左に多宝を、右に釈迦を置くことになっている。 この見宝塔品のエピソードは法華経の中でもドラマチックな場面の1つであり、法華経の真実性を証明するものとして著名で、さまざまな形式で造形化されている。たとえば、奈良県長谷寺所蔵の銅板法華説相図(国宝)はこの見宝塔品の場面を造形化したもので7世紀末の作品である。ただし、この作品に表されている塔は平面六角形の三層塔である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「多宝塔」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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