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多色性(たしょくせい)とは、結晶の色が、偏光面と結晶軸、観察方向の位置関係によって異なる色に見える光学現象である。色変化が明確でなく、色調の濃淡に変化が見られるだけの場合もあるが、これも多色性という〔。 == 原理 == 異方性結晶は光の方向によって光学的特性が変化する性質を有している。光の偏光は電場の方向を決定し、この方向が変化することで結晶は異なる色を示す。このような種類の結晶は1つもしくは2つの光軸を有しており、結晶の光軸に対して一定の角度で入射する光の吸収が変化するときに多色性が発現する 。 異なる偏光の光は結晶による屈折率が異なるため、異方性結晶は光に対して複屈折する性質を持つ。分裂した光線は鉱物内で異なる経路をたどるため異なる速度で伝達される。そのため、鉱物をある角度から観察した際に目に映る光は、いくつかの経路をたどり結晶によって波長の吸収を受けた偏光が組み合わされたものとなる。また、別の角度から観察した際には光は別の経路をたどるため、元の角度から観察した際とは異る波長が吸収された偏光が組み合わされたものとなり、元の角度から観察した際とは異なる色が観察される。このように鉱物の角度を変えて観察した際に鉱物を通過する光は異なる色を有するため、様々な角度から鉱物を観察するとその鉱石が異なる色であるように見える。これらの異なる色はそれぞれその鉱物自身の色である。 正方晶系、三方晶系、六方晶系の鉱物は2色間のみの色変化であるためとも呼ばれる。斜方晶、単斜晶、三斜晶のものは3色を示すことができる三色性である。例えば、紫蘇輝石は2つの光軸を有しており、3次元的に3つの異なる正位置に置くことで、赤色、黄色もしくは青色を示す。立方晶の鉱物は多色性を示さない〔。トルマリンは強い多色性を示す代表的な鉱物である。宝石は、その石の色や魅力に応じて、しばしば多色性を強調するように、または多色性を隠すようにカットおよび配置される。 多色性の色は光が結晶軸と平行に偏光した際に最大となる。結晶軸はX軸、Y軸、Z軸と呼ばれ、これらの軸は偏光顕微鏡を用いたコノスコープ観察による干渉パターンにおける結晶の外観から決定することができる。2本の軸があるとき、軸交点の鋭角側の手前側をZ軸、奥側をX軸とし、鈍角側はまた別のX軸もしくはZ軸を与える。Y軸はそれらに対して垂直に交差する。色はそれらの軸の方向と平行な偏光によって測定される。吸収式は、最小の吸収量を持つ軸を左側に、最大の吸収量を持つ軸を右側においてX<Y<Zの形になるようにし、それぞれの軸と平行な光の吸収量として記録される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「多色性」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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