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大坂夏の陣図屏風(おおさかなつのじんずびょうぶ)は、慶長20年(1615年)に起きた大坂夏の陣の様子を描いた紙本金地著色・六曲一双の屏風絵。大阪城天守閣所蔵、重要文化財。筑前福岡藩黒田家伝来で、「黒田屏風」、「黒田本」とも呼ばれる。戦国時代最後の戦いの激烈さと戦災の悲惨さを迫真の描写で描き出し、数ある日本の合戦図屏風の中でも白眉と呼ばれる。 == 概要 == 各隻150.3x360.7cmの大画面に、人物5071人、馬348頭、幟1387本、槍974本、弓119張、鉄砲158挺〔中嶋利一郎『黒田家什物大坂陣屏風図考』、明治末頃、東京大学史料編纂所蔵。中嶋は黒田侯爵家の記録編纂係だった人物で、当時の帝大史料編纂所の求めに応じて黒田家から提出された「大坂陣屏風」についての調査報告書とみられる(渡辺(2015)p.146)。〕などが精緻に描き込まれている。右隻には1615年6月3日(慶長20年5月7日)大坂夏の陣最後の戦いの様子が、左隻には大坂落城間際、または後の大混乱する様を迫真的に描き出している。全体的な構図は大坂城を中心に、向かって右が南、左が北で、右から左へ合戦の推移が時系列順に自然に展開するよう工夫されている。本作品の大きな特徴は左隻全面に、逃げようとする敗残兵や避難民と、略奪・誘拐・首狩りしようとする徳川方の兵士や野盗が描かれていることである。いわゆる乱妨取りで、このような生々しい描写は他の合戦図屏風には見られず、「戦国のゲルニカ」とも評される〔岡本良一 『図説大阪の陣』(創元社、1978年)や岡本(1988)で、岡本は「元和版「ゲルニカ」」と評している。また、NHKの歴史番組『その時歴史が動いた』2008年6月25日放送のタイトル「戦国の「ゲルニカ」 ~大坂夏の陣、惨劇はなぜ起きたのか~」。渡辺(2015)。〕。舞台となる大坂城は画面中央、右隻5扇目から左隻1扇目に置かれ、史料の少ない豊臣氏時代の姿を窺い知る貴重な絵画資料と言える。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「大坂夏の陣図屏風」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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