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大橋本奥入(おおはしほんおくいり)とは、源氏物語の注釈書『奥入』の写本である。 == 詳細 == この写本はかつて大橋理祐の所蔵であり〔文化庁編『国宝・重要文化財総合目録』(第一法規、1980)の旧蔵者名注記による。〕、所蔵者名から「大橋本(奥入)」または「大橋家本(奥入)」と呼ばれる。奥入の著者藤原定家の自筆と見られるもので、「自筆本奥入」と呼ばれることもある。まとまって伝来している源氏物語の注釈書の写本としては書写時期の最も古いものに属する貴重なもので、国宝に指定されている〔「解題 奥入」中野幸一・栗山元子編『源氏物語古註釈叢刊 第1巻 源氏釈・奥入・光源氏物語抄』武蔵野書院、2009年(平成21年)9月、pp. 433-435。 ISBN 978-4-8386-0236-0 〕。 本写本の末尾には「奥入」の成立過程についての重要な証言が記録されている。それによると、『奥入』とは、もともとは藤原定家が証本として自ら作成した源氏物語の写本の各巻の本文の末尾に書き付けたさまざまな注釈のことであり、「奥入」の名もそれに由来する。ところが藤原定家がその写本を貸し出した際に、これらの注釈を勝手に書き写されて世間に流れ出し、さらにその見解に対して批判を加えられたりしたことから、これを写本から切り取り1冊の本にしたものであるという。またその際、歌などの本文の一部が失われたとされている。本写本は、各巻の注釈の冒頭に各巻の本文の末尾を持っているという、奥入の成立についての説明されている通りの形状を持っている写本である。本写本には現在は8箇所にわたって欠落があるが、東山文庫本(甲本・乙本)、高野辰之旧蔵本など、欠落が生じた以前に書写された写本がいくつかあるために、それらによって欠落部分の内容を補うことが出来る〔「奥入の成立とその価値」『源氏物語大成 巻7 研究資料篇』中央公論社、1956年(昭和31年)11月 ISBN 4-12400-447-8 のち『源氏物語大成 第十二冊 研究篇』中央公論社、1985年(昭和60年)9月、pp. 79-113。 ISBN 4-1240-2482-7 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「大橋本奥入」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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