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大自在天(だいじざいてん、梵:महेश्वर、Maheśvara、マヘーシュヴァラ、音写:摩醯首羅、まけいしゅら)とも言う。もともとはヒンドゥー教におけるシヴァ神である。仏教では自在天外道の主神とされる。なお大聖歓喜自在天・他化自在天と名称が似ているため多く混同されるが、別の天部である(後述)。妻は烏摩妃(パールヴァティー)。 == 概要 == 色界の頂にありて三千界の主である。 大自在天は他化自在天と名称が似ているため、よく混同される。しかし他化自在天は欲界の六欲天の最上位の天の名称であるのに対し、大自在天は色界>四禅天>五浄居天>色究竟天に在す天神の名称とされる。 バラモン教(後のヒンドゥー教)では、世界を創造し支配する最高神を、サンスクリット語で Īśvara、イーシュヴァラ、自在天というが、これはシヴァ神の別名となる。仏教では後にバラモン・ヒンドゥーの神々が取り入れられたが、イーシュヴァラ、マヘーシュヴァラはそれぞれ、自在天・大自在天と漢訳された。そのため異名は千以上あるといわれる。 仏教においては、シヴァ神と同じく三目八臂の白牛に乗り、外道(仏教以外)と同様の神像で表現されるが、一方では密教の曼荼羅などにおいて諸尊の一神としても重要な位置を占める。曼荼羅では男女一対で表され、妃を烏摩妃(うまひ)という。また仏や菩薩の化身という解釈もなされる。 なお、大自在天には以下の2種類があるといわれる。〔『入大乗論』の所説。(名字雖同、而人非一。有浄居摩醯首羅、有毘舎闍摩醯首羅。)〕 *毘舎闍摩醯首羅(びしゃじゃ・まけいしゅら, Piśāca-maheśvara) *:毘舎闍(ピシャーチャ, Piśāca)は鬼類の名前にして摩醯首羅論師の祀る所で、二目八臂あって白牛に乗り、色界に住す。密教ではこれを大日如来の応現身とする。この自在天は種々の形を現じて種々の名前を持つ。たとえば韋紐天、那羅延天、伊舎那天など。「提婆涅槃論」には20種の外道が説かれるが、その中に毘舎闍摩醯首羅をもって第15の摩醯首羅論師とし、また大般涅槃経19にも六師外道の1人である、迦羅鳩駄迦旃延(からくだかせんえん、パクダ・カッチャーヤナ)がこれを宗旨としていると説かれる。中古期以来から現在に至るまで、シヴァ派のシヴァ神はこの大自在天にして、牛または男根(詳細は後述)をもって神体を標識とする。 *浄居摩醯首羅(じょうご・まけいしゅら) *:菩薩が第十地(菩薩の五十二位の50位目・法雲地)から、まさに成仏せんとする時に、色界の頂である五浄居天の上(色究竟天)において大自在天子の勝報を現じ、勝妙の天形を以て仏位を紹ぐ灌頂を行う。 また、菅原道真の御霊(ごりょう)に「天満大自在天神」の神号が追贈されているが、これは御霊の威力を大自在天に習合させたものであるという。 密教では妻の烏摩妃(パールヴァティー)と共に降三世明王に踏みつけられている。 仏説大自在天子因地経(北宋・施護訳)によると、大自在天は崑崙山に烏摩妃ととも住んでおり、遠い過去の仏の出世の時に四人の修行者がいて発願し、それぞれが梵天王、那羅延天、大自在天、仏世尊になったという。 更に、彼の大自在天の所生を此身甚だ希有なりとし、彼は梵天より人間に下降して寒林中の幻化という餓鬼女と交わり、自らその子になって生まれたとする。〔『仏説大自在天子因地経』の所説。(爾時世尊告目連曰。彼大自在天所生此身甚為希有。彼從梵天下降人間。時寒林中有餓女鬼。名曰幻化。彼與鬼交鬼即有娠。彼即託生在鬼腹内。後乃生身。面有三目。身有光明。)〕 また、この大自在天が生まれた時、鬼神衆や諸天梵天が集まり彼を礼拝したが、その時に梵天王は自らの五つの頭の一つが醜悪であったためそれを取ることを願い、大自在天は大鷹の身に変じてそれを摘去したという。故にその手に梵天の頭を持つとしている。〔『仏説大自在天子因地経』の所説。(天人之衆見彼梵天。具其五頭内一醜惡。衆懷驚恐心生熱惱。告大自在天。可能為我截去彼頭。大自在天告天衆曰。若截彼頭令我獲得殺梵天罪。天衆復言。如有過罪我等分受。時大自在天許之言得。尋即自變為大鷹身。以其手爪摘去一頭。是故大自在天。於其手中持梵天頭。一切天人婆羅門衆普遍皆知。)〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「大自在天」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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