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大阪大学医学部論文捏造事件 : ミニ英和和英辞書
大阪大学医学部論文捏造事件[おおさかだいがく]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

大阪大学 : [おおさかだいがく]
 (n) Osaka University
阪大 : [はんだい]
 (n) (abbr) Osaka University
大学 : [だいがく]
 【名詞】 1. (1) university 2. (2) the Great Learning - one of the Four Books 
: [がく]
 【名詞】 1. learning 2. scholarship 3. erudition 4. knowledge 
: [い]
  1. (n,n-suf,vs) medicine 2. the healing art 3. doctor 4. cure 5. healing 6. quenching (thirst) 
医学部 : [いがくぶ]
 (n) medical faculty
学部 : [がくぶ]
 【名詞】 1. department of a university 2. undergraduate 
: [ろん]
 【名詞】 1. (1) argument 2. discussion 3. dispute 4. controversy 5. discourse 6. debate 7. (2) theory 8. doctrine 9. (3) essay 10. treatise 1 1. comment
論文 : [ろんぶん]
 【名詞】 1. thesis 2. essay 3. treatise 4. paper 5. article 
: [ぶん]
 【名詞】 1. sentence 
捏造 : [ねつぞう]
  1. (n,vs) fabrication 2. forgery 3. falsehood
: [こと]
 【名詞】 1. thing 2. matter 3. fact 4. circumstances 5. business 6. reason 7. experience 
事件 : [じけん]
 【名詞】 1. event 2. affair 3. incident 4. case 5. plot 6. trouble 7. scandal 
: [くだん, けん]
 【名詞】 1. matter 2. case 3. item 

大阪大学医学部論文捏造事件 ( リダイレクト:大阪大学医学部論文不正事件 ) : ウィキペディア日本語版
大阪大学医学部論文不正事件[おおさかだいがくいがくぶろんぶんふせいじけん]
大阪大学医学部論文不正事件は、2005年5月大阪大学医学研究科の調査委員会(委員長は遠山正彌研究科長)による調査により、大阪大学医学部研究不正が発覚した事件〔データ改ざん:米医学誌への論文取り下げる 大阪大学 MSN毎日インタラクティブ 2005年05月25日時点のアーカイブ)〕。
== 概要 ==
2005年6月に、実験データの不適切な掲載を理由として、大阪大学医学部の下村伊一郎教授(内分泌・代謝内科)や竹田潤二教授(発生工学)らが 当時医学部生を筆頭著者として発表していた医学誌「ネイチャー メディシン(Nature Medicine)」誌の論文(Nat Med. 2004 Nov;10(11):1208-15.)が撤回された〔Nature Medicine誌の論文撤回告知: 〕。さらに、撤回されたネイチャー メディシン誌の論文の筆頭著者が執筆していた別の「カンサー サイエンス(Cancer Science)」誌での筆頭著者論文(Cancer Sci. 2005 Jun;96(6):377.)も、不適切なデータが掲載されていたとして撤回された〔Cancer Science誌の論文撤回告知〕大阪大学医学部の調査委員会による研究不正に関する調査報告書は、「ネイチャー メディシン誌の論文などでの捏造・改竄データは筆頭著者の医学部学生によって作成されたものである。」「下村・竹田両教授による医学部学生に対する研究指導、共同指導および監督は不十分であった。」「両教授が研究者・教育者として適切な対応を取っていれば、データ捏造に気付くチャンスは十分にあった。」と結論した。〔文部科学省 科学技術・学術審議会 研究活動の不正行為に関する特別委員会(第1回) 資料: 別紙2(教育研究評議会で決定した処分の概要について) 〕〔大阪大学医学部調査委員会 調査報告書〕
さらに、同委員会による調査により、「ネイチャー メディシン」の論文に関わるデータについて、両教授らが遺伝子組み換え実験および動物実験申請の無届けで実施していたうえ、動物実験委員会の許可を得ていないにも関わらず、当論文中では”許可を得た”と虚偽の記載をしていたことも明らかにされた。〔阪大、不正論文で2教授停職 捏造の学生は厳重注意 〕〔。また、上記2論文以外にも、同医学部生が関与していた他2論文のデータにも捏造あるいは捏造の疑いが調査により判明した。〔データ捏造で2教授停職 大阪大、肥満研究論文 47NEWS 2006年2月15日)〕医学研究科教授会は両教授に3か月の停職妥当の結論を出したといわれる。
「ネイチャー メディシン」に掲載された論文について、筆頭著者だった元学生がデータの改ざんを認めたとされた〔が、後に一転して不正行為を否定。また当該教授出身講座などよりの減刑の嘆願を受けた宮原総長は大阪大学教育研究評議会において新たに調査委員会(鈴木直委員長、当時副学長)を立ち上げ、最終的に医学研究科の処分より数段甘い処分を下した。大阪大学教職員就業規則第37条第第2項第3号により、指導教授2名が停職14日および1ヶ月の懲戒処分、筆頭著者の医学部生を直接指導する立場にあった特任研究員が戒告処分、論文の筆頭著者である学生は厳重注意処分となり研究倫理徹底のための教育プログラムの受講が課された。竹田教授が元学生から2回(2002年12月と2004年7月)にわたり、各100万円ずつを教授の口座に金銭を受け取っておきながら大学へ未報告であったことも処分の一因とされた。〔〔この甘い処分に不満を示した医学研究科長は大学執行部主催の処分に関する記者会見において大学執行部との同席を拒否した。一流雑誌に掲載された論文が捏造により撤回される事態となったにも関わらず、論文のコレスポンディングオーサー(責任著者)であったり研究室責任者であった両教授らに対する懲戒処分の緩和には批判が起こった。〔〕例えば、当時、京都大学教授の柳田充弘氏は、「捏造論文公表についての大阪大学の甘い対応は致命的エラーである」「大々的な捏造論文を出しても軽い処分ですむなら、今後捏造者がまず減ることはないだろう」と批判した。〔捏造論文に甘い大阪大学
なお、筆頭著者だった学生が罪をなすりつけられたとして指導教授2名を訴える事態となった。〔論文捏造 (2006年9月中公新書ラクレ)村松秀〕〔日経バイオテク(2006年2月17日):阪大の学生、論文ねつ造問題で2教授を提訴へ 〕しかし、当学生の損害賠償を求める大阪地裁における訴訟は棄却された。〔朝日新聞(2008年12月26日):学生側の請求棄却 阪大の論文不正事件 大阪地裁〕〔毎日新聞(2008年12月27日):阪大チームの論文データねつ造:損賠訴訟 元学生の訴え、棄却--地裁〕
さらに、2007年10月には、下村教授の研究室から発表された「サイエンス(Science)」誌の論文(Science. 2005 Jan 21;307(5708):426-30)も、再現性が取れなかったとして撤回された。〔of Fukuhara et al., Science 307 (5708) 426-430. 〕〔The Scientist誌:Visfatin study retracted from Science
Osaka researchers retract disputed paper but claim results are valid
〕〔〕〔〕当Science論文は、ビスファチン(Visfatin)がインスリンに似た機能を有し、インスリン受容体に結合し血糖値を下げる働きをするという実験結果を発表したもので、これまでの医学界の常識を覆すものであり、〔毎日新聞:2007年12月17日 ビスファチン:血糖値下げる新たなホルモン発見---阪大医学系研究グループ〕〔http://www.pieronline.jp/content/article/0039-2359/219060/467 医学のあゆみ:2006年 219巻 6号 Pages 467 –470、Author: 福原淳範; 船橋 徹〕〔http://www.the-scientist.com/?articles.view/articleNo/25176/title/What-is-visfatin-/ The Scientist誌:What is visfatin? The cytokine is at the center of a retraction dispute〕下村教授らは、ビスファチンのアミノ酸配列を元にしたタンパク質が、インスリンシグナル伝達促進活性を有し、糖代謝関連疾患の治療剤または予防剤になりうるとして特許を申請していた。〔http://www.google.com/patents/WO2005072767A1?cl=ja 特許:糖代謝機能改善剤
WO 2005072767 A1〕実際に、Howard Hughes Medical InstituteMorris Birnbaumペンシルベニア大学教授は、「下村教授らによるインスリン様機能を有するビスファチンの発見は、糖尿病患者における血糖値を下げる為の新しい治療方法につながりうる。」と評価していた。〔The Scientist誌:Insulin mimic found in fat (
Visfatin activates insulin receptor and lowers insulin levels in vivo and in vitro)

2015年の年初に、この事件の調査に関わった教員が出版した論文を含む大阪大学医学系の28本の論文について、不正が疑われる画像が掲載されていることが文科省に告発された〔ネットで論文画像の「類似」、「匿名A」が指摘 東大や阪大などの生命科学系約80本 産経新聞 2015年1月9日〕〔下村博文文部科学大臣記者会見録 文部科学省 2015年1月13日〕〔阪大:「ネットで不正指摘」…関連論文の予備調査を開始 毎日新聞 2015年2月3日〕。この28本の件については、責任著者が別の論文捏造事件で懲戒解雇された1本の論文を除く27本について予備調査を行い、2015年4月8日までに、1本については疑義を否定し、7本については不注意による誤使用と判断し、残りの19本については「データが残っていないため不正の事実が確認できず、これ以上の調査は困難」として調査を打ち切った〔大阪大:論文疑惑 予備調査27本の調査打ち切り 毎日新聞 2015年4月8日〕。(詳しくは科学における不正行為の不正行為の具体例の項目を参照)

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「大阪大学医学部論文不正事件」の詳細全文を読む




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