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天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)は、日本神話の神。天地開闢に関わった五柱の別天津神(ことあまつかみ)の一柱。 『古事記』では、天地開闢の際に高天原に最初に出現した神であるとしている(『日本書紀』では国之常立神 が初めての神)。その後高御産巣日神、神産巣日神が現れ、すぐに姿を隠したとしている。この三柱の神を造化三神といい、性別のない「独神」(ひとりがみ)という。 ==概要== 『日本書紀』本文には記述はなく、第一段で6つ書かれている一書のうちの第四の一書にのみ登場する。そこでは、まず国常立尊、次に国狭槌尊が表れたと書き、その次に「また、高天原においでになる神の名を天御中主尊(あめのみなかぬしのみこと)という」と書かれている。この記述からは、前に書かれた二神とどちらが先に現れたのかはわからない。なお、他の一書では、最初に現れた神は国常立尊(本文、第一、第四、第五)、可美葦牙彦舅尊(第二、第三)、天常立尊(第六)としている。 神名は、天(高天原)の中央に座する主宰神という意味である。宇宙の根源の神であり、宇宙そのものであるともされる。 『古事記』、『日本書紀』とも、その後の事績は全く書かれておらず、中国の天帝の思想の影響によって机上で作られた神であると解釈されてきた〔次田真幸『古事記 (上) 全訳注』講談社〈講談社学術文庫〉、1977年、39頁〕。 しかし天之御中主神には倫理的な面は全く無く、中国の思想の影響を受けたとは考え難い〔匝瑤 葵「宇宙を構成する古事記の別天神―出雲大社の天空神」 『アジア遊学』No.121、pp.94-101、勉誠出版、2009年 。〕。天空神が至高の存在として認められながらも、その宗教的現実性を喪失して「暇な神」となる現象は、世界中で多くの例がある〔ミルチャ・エリアーデ 『神話と夢想と秘儀』 岡三郎訳、国文社、1972年、231頁。〕。 中世に伊勢で発達した伊勢神道においては、神道五部書などで、伊勢神宮外宮の祭神である豊受大神の本体が天之御中主神であるとされた。これは、伊勢神道の主唱者が外宮の神職度会氏であったため、外宮を始原神である天之御中主神であると位置づけることで、内宮に対する優位を主張するものであった。伊勢神道を中心とする中世神話において、天之御中主神は重要な位置を占める神格である。 平田篤胤は禁書であったキリスト教関係の書籍を読み、その万物の創造神という観念の影響を強く受けた〔村岡典嗣「平田篤胤の神学に於ける耶蘇教の影響」1920年「芸文」11巻3号。所収『新編日本思想史研究』2004年、平凡社〈平凡社東洋文庫〉〕。そして『霊之御柱』において、この世界の姿が確定する天孫降臨以前の万物の創造を天御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神の造化三神によるものとした。この三神は復古神道においては究極神とされ、なかでも天御中主神は最高位に位置づけられている。 日本神話の中空構造を指摘した河合隼雄は、ツクヨミ、ホスセリと同様、無為の神(重要な三神の一柱として登場するが他の二柱と違って何もしない神)としてアメノミナカヌシを挙げている〔河合隼雄『中空構造日本の深層』〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「天之御中主神」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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