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『天山の巫女ソニン』(てんざんのみこそにん)は、菅野雪虫による児童文学作品。全5巻。天山で「夢見の巫女」として育てられたが落ちこぼれ、下界で生きることになった少女ソニンの活躍を描いた東洋風異世界ファンタジー小説である。本作は菅野のデビュー作であり、第1巻「黄金の燕」は、第46回講談社児童文学新人賞(2006年)〔受賞時の原題は『ソニンと燕になった王子』。〕 と第40回日本児童文学者協会新人賞(2007年)を受賞している。サブタイトルには必ず鳥絡みの言葉が入っている。 == あらすじ == 第1巻「黄金の燕」 : 大陸から南に突き出た半島に存在する3つの国。そのうちの1つである沙維国の北部には「天山」と呼ばれる高山がそびえ、そこには「夢見」という特殊な能力を持つ巫女たちが住んでいた。天山の巫女たちは幼少の頃に生みの親から引き取られ、下界と切り離されたこの地で、夢見の能力のほか、さまざまな知識と学問を授けられながら、俗世の人とは異なる存在として育てられるのだった。 : 主人公の少女ソニンもそうした1人であったが、12歳になっても夢見の能力が思うように使えなかったことから「見込み違い」とされ、下界にある実家に戻されることとなった。天山とはまったく異なる下界の様子に戸惑いつつも、ソニンは両親と姉に暖かく迎えられ、庶民の子として慎ましく生きようとしていた。ところが、しばらくして沙維国の王子一行が村に立ち寄り、ソニンは偶然知り合った末の王子イウォルの侍女として召し抱えられることになった。人々の欲望と嫉妬の渦巻く王宮の中で、ソニンの波乱に満ちた人生が始まる。 第2巻「海の孔雀」 : 沙維と隣国江南との間で外交問題が生じる中、ソニンの主のイウォル王子は宮廷での発言権も活躍の場も与えられず、鬱屈した日々を送っていた。そのような中、イウォルは江南の第2王子クワンから江南への留学を熱心に誘われた。クワンの華やかな人柄に強く惹かれていたイウォルは喜んで江南に行くことにしたが、同行するソニンはクワンの誘いに何か裏があるのではないかという不安をぬぐえなかった。 : 江南にやって来たソニンたちは、前年戦火に見舞われ、その傷跡に苦しむ貧しい人々の暮らしと、以前のままに見事に復興された王宮の様子のあまりの違いに驚き当惑する。そして楽園のような王宮の世界の中、ソニンが訪れたクワン王子の住まいは、派手な外見からは想像もつかないようなひっそりとしたものであった。そこでクワンの妹リアン王女と知り合ったソニンは、クワンの複雑な出自と彼の中に潜む暗い影を知ることになる。 第3巻「朱烏の星」 : ある夜ソニンは夢の中で草原の中にうち捨てられた建物を見た。普通の民家などとは異なるその様子が少し気になったが、行くことのない場所だと思い直して、すぐに考えるのをやめてしまった。 : しばらくして沙維に住む「森の民」が巨山に捕らえられるという事件が起きた。捕らえられたのがイウォル王子の乳母の一族であったことから、彼らの解放と国交回復の交渉のため、イウォルとソニンは「狼殺しの王」と呼ばれる巨山王のもとに赴くこととなった。巨山の王都を目にしたソニンたちは、その圧倒的な技術力と国力の高さに驚かされる。さらに巨山王の気さくな人柄や豊かな生活を送る民衆の様子を見て、それまでの先入観を覆される思いであった。 : 王宮の中で黒曜石作りの見事な星図を見つけたソニンは、そこで偶然にも巨山王の一人娘のイェラ王女と出会う。次の日ソニンを自室に呼んで、天山の様子を熱心に尋ねるイェラだが、話題が星に及ぶと突然態度を一変させ、その唐突さにソニンは困惑する。翌日城の外に馬で遠乗りに出たソニンは、焼け落ちた天文台の話を聞き、そこに行ってみることにした。その天文台はソニンが夢で見たあの建物であった。 第4巻「夢の白鷺」 : 江南のクワン王子が再び沙維を訪れ、人々の話題をさらう中、ソニンはクワンの側近セオの存在に気づき驚く。ソニンが前年巨山で雪崩に巻き込まれた時、救い出してくれた謎の人物は彼だったのだ。クワンに再会したソニンは、彼から妹のリアン王女が会いたがっている話を聞かされる。ソニンはイウォル王子の許可を得ると再び江南に行き、しばらくの間リアンの世話をすることになった。ところが滞在中に突然の大嵐が江南を襲い、未曾有の被害に直面することになる。 : 江南の大災害の知らせを受けた沙維は、救援のため急遽イウォル王子を派遣する。イウォルの到着とほぼ同時に、敵国巨山から江南に無償で大量の食料と薬を援助するという申し出が伝えられた。さらに巨山のイェラ王女が使節を率いて江南にやって来た。イェラの美貌と巨山からの多大な援助は、江南の人々の心をたちどころにつかんでしまった。しかしその友好的な雰囲気の裏には、江南に対する辛辣な策謀が隠されていた…… 第5巻「大地の翼」 : 巨山のイェラ王女が沙維を訪問することとなった。パロル王をはじめ沙維は彼女の意図が読めず困惑するが、実際に訪れたイェラは以前よりもさらに美しく友好的な態度で人々に接し、王宮のみならず民衆までもが彼女に好感を持つようになる。ところが最後の宴の席で突如イェラは打って変わって沙維の王子たちを嘲弄し、ソニンに巨山王が戦の準備をしていることを密かに告げて立ち去るのだった。一方江南では、巨山との連合が急速に進められていた。そしてクワン王子らの反対を押し切り、巨山の沙維侵略を援助する決定が下されてしまった。 : イェラ、クワンそして天山からの警告により、巨山との戦に備える沙維。ついに巨山が沙維に兵を向け、江南までもが参戦するなど、事態は悪化の一途をたどる。三国の若き王子・王女たち、そしてソニンは、この無益な戦を終わらせるために、それぞれが重大な決断を下すのだった…… 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「天山の巫女ソニン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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