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既存添加物(きそんてんかぶつ)とは、1995年の食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律(平成7年法律第101号)附則第2条第4項で規定される既存添加物名簿に収録された食品添加物のこと。1996年、既存添加物名簿の告示が行われた(平成8年4月16日厚生省告示第120号)。 既存添加物は、以前から天然添加物(てんねんてんかぶつ)とも呼ばれており、行政の資料でもこのように表現される。 また、告示の備考に「第1号から第451号までに掲げる添加物には、化学的手段により元素又は化合物に分解反応以外の化学反応を起こさせて得られた物質は含まない」とある。 以前は、化学合成された添加物のみ指定した品目について使用を許可していたため、これを対比して合成添加物(ごうせいてんかぶつ)と呼ぶことが多かった。 == 概要 == 既存添加物は、平成8年に既存添加物名簿が策定された当初は489品目が収載されていたが、安全性に懸念が認められたものや使用実態がないものが順次削除され、2011年5月6日現在、365品目が収録されている。ただし、これらの中には「香辛料抽出物」や「高級脂肪酸」等、多数の製品を一括して一品目として扱っているものもある。 既存添加物には食品添加物のうち、今まで習慣的に使われてきており、危険性が低いとされる物質が収録された。しかし、厚生労働省は近年、既存添加物についても順次食品安全委員会において科学検査に基づく食品健康影響評価を行い、安全性の確認をしている。リストは定期的に見直しが行われており、使用実績のない添加物は積極的に消除される傾向にある。 *1998年、「既存添加物の安全性評価に関する研究調査(平成8年度調査)」〔既存添加物の安全性評価に関する研究調査(平成8年度調査) 〕によって、既存天然添加物489品目のうち、139品目に速やかな調査が求められるが残りは、安全性が高いものであると結論された。以降、安全性の報告が継続される。 *2000年、「既存添加物の安全性評価に関する研究調査(平成11年度調査)」〔既存添加物の安全性評価に関する研究調査(平成11年度調査) 〕。 *2004年、「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究(平成15年度調査)」〔既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究(平成15年度調査) 〕。 既存添加物の一つであるアカネ色素は遺伝毒性及び腎臓への発癌性が認められたため、2004年(平成16年)7月5日に名簿から消除された。 *2004年、使用実態のない38品目が名簿から削除された。 *2005年、「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究(平成16年度調査)」〔既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究(平成16年度調査) 〕。 *2007年、「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究(平成19年度調査)」〔(厚生労働省)〕。 *2007年、使用実態のない32品目が名簿から削除された。 *2011年、使用実態のない55品目が名簿から削除された(平成23年厚生労働省告示第157号)。 「天然添加物」という呼称のせいか「既存添加物は指定添加物より安全である」と誤解されることが多い。指定添加物にはタール色素なども含まれるため、安全性について懸念される部分があるのは確かである。しかし、そのために指定及び使用規準の制定にあたっては様々な試験を行い安全性を確認しており、使用規準を遵守している限り試験された事項については危険性が薄い。逆に既存添加物は上述のとおり、現時点では未だに科学的知見に基づく安全性の確認がなされていないものも含まれている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「既存添加物」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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