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太阿記 : ウィキペディア日本語版
太阿記[たいあき]
太阿記』(たいあき)は、江戸時代初期の禅僧・沢庵宗彭が記した、仏法を通じて兵法の意義を説いた書物である。
== 概要 ==
禅話における「太阿の剣(「何物をも切り断つ剣」の比喩)」〔「太阿記」本文より引用-『太阿は天下に比類なき名剣の名なり。是の名剣は、金鉄の剛きより、玉石の堅きまで、自由に伐れて天下に刃障になる物なし。彼の無作の妙用を得たる者は、三軍の元帥も、百万の強敵も、是れが手に対ふるもの無きこと、猶彼の名剣の刃に障るものなきと一般なるが故に、此の妙用の力を太阿の剣と名づくるなり』〕から題を取っており、禅の視点から「兵法通達の人」とはどのようなものかを説いた内容になっている。
不動智神妙録』と同じく、将軍家兵法指南役・柳生宗矩に与えられたというが、詳細は不明。〔「沢庵和尚書簡集」によると、寛永十三年、家光の御前で兵法について柳生宗矩、堀田正盛と語るように指示があったという記述と、後に、以前の話を書にまとめてほしいという求めに応じ、それらを一冊に記して家光に献上する、という記述がある。断言できる訳ではないが、ここで書かれた書が太阿記(あるいは「不動智神妙録」)ではないかという説がある。〕
なお、同じく将軍家指南役であった小野忠明(または小野忠常)に与えたとする説もあるが、沢庵が初めて江戸に出た寛永6年(1629年)には既に忠明は死去していることや、沢庵と小野家の交際を伺わせる記述が当時の史料に存在しないことなどから、これは後世の創作と言える。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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