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宇宙太陽光発電(うちゅうたいようこうはつでん)とは、宇宙空間上で太陽光発電を行い、その電力を地上に送る発電方法である。これを利用した発電システムは宇宙太陽光発電システム(Space Solar Power System)と呼ばれ、SSPSと表記される。一般に知られている「マイクロ波発電」はこの発電方法の一種で、伝送手段としてマイクロ波を用いているものの総称である。 == 概要 == 太陽光は地表に届くまでに、大気の吸収などにより減衰する。またそれは、天候により変化する。大気圏外で発電し、大気の透過率の高い波長の電磁波に変換して地上へ届けた方が、損失が少なく効率が良くなり、安定する。また、軌道によっては日没の影響も減らすことができるため、約10倍程度宇宙の方が有利であるとされている。 宇宙太陽光発電は、宇宙空間にある発電衛星と地上の受信局によって行う。地球の衛星軌道上に設置した施設で太陽光発電を行い、その電力をマイクロ波またはレーザー光に変換して地上の受信局(構想では砂漠または海上に設置する)に送り、地上で再び電力に変換するという構想になっている。発電衛星と送電を中継する送電衛星を利用すれば夜間でも安定的に地上への電力供給が期待でき、無尽蔵の電力をほぼ24時間365日にわたって利用できる。この特徴から原子力発電同様にベース電力としての利用が可能である。なお、太陽電池による発電のかわりに、太陽熱を利用した汽力発電を利用することもでき、この場合は宇宙太陽熱発電と呼ばれる。また、発電施設の設置場所を軌道上ではなく、月面に固定することも可能である。 1968年に初めて提唱されて以降、新エネルギー源として開発が行われており、オイルショック以降は各国で研究が大きく進んだ。しかし、非常に大型のプロジェクトであり、必要となる資金も莫大であったため開発をとめる国が多かった。日本は自国で算出するエネルギーが乏しいということもあり、1990年代から研究が盛んになり、マイクロ波送電、ビーム送電など必要となる基礎技術が開発されており、現在では機材の耐久力などを考えなければ発電したエネルギーを地上に送ることは原理的に不可能ではなくなっている。 しかしながら、打ち上げコストの問題や材料劣化対策、維持の問題などの技術的課題も多く存在する。過去の日本の計画では100キロワット級の実験的な衛星を2010年頃に打ち上げる予定であったが 、現在でも打ち上げられていない。また、現状では実証機も打ち上げ計画に入っていない。JAXAは研究を継続して行うことで2020年から2030年をめどに商用化を可能にすることを目標にしている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「宇宙太陽光発電」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Space-based solar power 」があります。 スポンサード リンク
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