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奇跡の一本松(きせきのいっぽんまつ)は、岩手県陸前高田市気仙町の高田松原跡地に立つ松の木のモニュメントである。 太平洋につながる広田湾に面した高田松原(以下「松原」と略記)は、350年にわたって植林されてきた約7万本の松の木が茂り、陸中海岸国立公園(現三陸復興国立公園)や日本百景にも指定されていた景勝地であったが、2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波の直撃を受け、ほとんどの松の木がなぎ倒されて壊滅した。しかし、松原の西端近くに立っていた一本の木が津波に耐えて、立ったままの状態で残ったことから、この地震と津波(東日本大震災、以下「震災」と略記)が陸前高田市のみならず広く東日本の太平洋沿岸地域一帯に甚大な被害をもたらした中にあって、この木は震災からの復興への希望を象徴するものとしてとらえられるようになり、「奇跡の一本松」や「希望の松」などと呼ばれるようになった。 震災後、この木を保護する活動が続けられたものの、根が腐り枯死と判断された。その後に震災からの復興を象徴するモニュメントとして残すことになり、幹を防腐処理し心棒を入れて補強したり枝葉を複製したものに付け替えたりするなどの保存作業を経て、元の場所に再び立てられている。この作業には多額の費用が投じられたこともあって、保存の是非を巡っては賛否両論が巻き起こった。 以下、本項目ではこの木を「一本松」と略記する。 == 一本松の概要 == 松原の西に位置する陸前高田ユースホステルの敷地内に立っており、日本ユースホステル協会が所有者である。 アカマツとクロマツの交雑種(アイマツ)で、高さは約27.7メートル、胸高直径は87センチメートル。1985年の調査によれば、松原の松のうち老齢の木がもっとも多い区画(樹齢200年程度)における樹高が約25メートル、平均胸高直径が約70 - 80センチメートルであり、これらに比べても一本松はとりわけ大ぶりな個体である。 一本松の付近では江戸時代中期に松が植栽されていたこと、またその中でも一本松は特に背が高かったことから、地元では樹齢270年前後であると言われていたが、木材組織学を専門とする京都大学名誉教授の伊東隆夫が鑑定したところ、1839年(天保10年)に芽吹き、2012年5月に枯死していたことが分かり、樹齢は173年と判明した。地元での説と実際の鑑定結果との間に大きな差が出た理由について、伊東は「年輪を見ると成長が著しかった時期がある。大木であるため、200年以上だと思われていたのも無理はない」と話している。 ファイル:Miracle Pine Tree 2011-08-27 (1).jpg|川原川水門、ユースホステルと一本松(2011年8月27日) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「奇跡の一本松」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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