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奈川渡ダム(ながわどダム)は、長野県松本市、信濃川水系犀川の上流部・梓川に建設されたダム。高さ155メートルのアーチ式コンクリートダムで、東京電力による大規模な水力発電所開発に伴い下流の水殿(みどの)ダム・稲核(いねこき)ダムとともに完成。これらは総称して安曇3ダム、もしくは梓川3ダムと呼ばれる。ダム湖(人造湖)の名は梓湖(あずさこ)という。 ==歴史== ===電源開発の歴史=== 犀川は飛騨山脈(北アルプス)槍ヶ岳(標高3,180メートル)を水源とし、上高地を経て松本盆地で奈良井川ほかを合流させ長野県内を北上、長野市で千曲川(長野県内における信濃川の呼称)へ合流する一級河川である。奈良井川を合流させる手前から上流部は梓川と呼ばれ、急しゅんな地形から明治時代より水力発電所の建設が進められていた。焼岳(標高2,455メートル)の噴火によって上高地に誕生した大正池を調整池として利用した霞沢発電所(梓川電力、39,000kW)、セバ谷ダムを調整池とした湯川発電所(京浜電力、6,000kW)などが上流に建設され、現在の奈川渡ダム地点には奈川渡発電所(京浜電力、18,000kW)があり、松本市波田地区西端の竜島温泉そばには竜島発電所(京浜電力、当時20,100kW)があった。これらは発生した電力を首都圏に向けて送電しており、戦時中の日本発送電による管轄を経て、戦後の電力会社再編成によって誕生した東京電力に移行した。 なおこのような経緯から、梓川近辺(長野県松本市の安曇地区、奈川地区)では標準周波数が60ヘルツの中部電力管内に位置する長野県内において、例外的に50ヘルツの電気が供給されている。また電気使用者は東京電力が供給した電気を受け取っているが、使用料金は中部電力に支払われており、それに応じて両会社間で料金のやりとりが行われている。 日本国内は戦後の復興を間もなくして急速な経済発展とともに電力需要は増大の一途をたどる。特に京浜工業地帯・京葉工業地域を営業エリア内に抱える東京電力は新規電源開発が急務となり、太平洋沿岸部に火力発電所を建設、福島県では原子力発電所の建設に着手した。一方で深夜の余剰電力を利用して水をくみ上げ、貯えた水による昼間のピーク需要に即応できる設備として揚水発電所の計画を進める。群馬県、利根川の上流部にその第一号として矢木沢ダム直下に矢木沢発電所を完成させた東京電力が、第二の建設先として選んだのが梓川だった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「奈川渡ダム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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