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女子柔道強化選手による暴力告発問題（じょしじゅうどうきょうかせんしゅによるぼうりょくこくはつもんだい）とは、2013年に発覚した、女子柔道の国際試合強化選手への指導陣による慢性的な暴力行為やパワーハラスメントの問題である。日本の柔道界の体質問題や、更には助成金の不正受給にまで拡大し全日本柔道連盟の首脳陣の総退陣にまで至った。 == 概要 == === 問題の発生とその経緯 === 2012年9月下旬に、とある選手が強化合宿中に園田に暴力を振るわれたことを全日本柔道連盟(以下、全柔連と記す)に訴えた〔“女子代表監督らがパワハラ行為＝代表選手らが訴える－柔道” . ''時事通信''. (2013年1月30日)〕。全柔連が園田と当該選手に事情を聞いた結果、それが事実と判明した。この際に園田は「二度と暴力行為はしない」と約束したという〔“全柔連会長、園田監督を辞めさせる意思なし” . ''読売テレビ''. (2013年1月30日)〕。しかし、10月下旬にブラジルのサルヴァドールで開催された世界団体の際に、園田はこの選手に対して「余計なことを言いふらしているらしいな」と厳しく責めたてたともいう〔“「余計なことを言いふらしているらしいな」 園田隆二・全日本女子前監督、最初に被害を訴えた選手をどう喝していた” . ''読売新聞''. (2013年2月6日)〕。このような状況の中、11月5日に全柔連は園田のリオデジャネイロオリンピックまでの監督続投を決定した。11月10日に園田は全柔連に始末書を提出して厳重注意を受けると、11月28日には当該選手に謝罪した〔“女子柔道、五輪惨敗の裏に監督らの「暴力」「パワハラ」 それでも全柔連は監督続投の不可解 ” . ''J-CAST ''. (2013年1月30日)〕。しかし、被害選手に高圧的な態度を取った園田に怒りを増幅させたロンドンオリンピック代表を含む女子の国際試合強化選手15名(引退した選手を含む)は、暴力の実態を把握しながら園田の続投を決定した全柔連には自浄能力がないと判断して、11月11日に園田らによる暴力やパワーハラスメントを訴える告発文書を作成すると、12月4日に日本オリンピック委員会(以下、JOCと記す)にそれを提出した〔“求められる意識改革＝全柔連、甘い認識－柔道監督暴力 ” . ''時事通信 ''. (2013年1月30日)〕。さらに、12月25日には人事の見直しや、問題が解決されるまでの合宿の凍結、第3者による調査を求めるメールをJOC女性スポーツ専門部会に送付した〔“上村会長も園田監督留任明言「未熟さゆえ」調査次第で新たな処分も ” . ''スポーツニッポン ''. (2013年1月30日)〕〔“次期監督、被害15選手に意見聞いて選ぶ” . ''日刊スポーツ''. (2013年2月2日)〕。 2013年1月にJOCは告発者数名との面談を試みると、「怖かった｣、｢(園田の)顔は笑っていたが不安だった」との話を聞きだした〔“全柔連 園田監督、男性コーチを戒告処分、暴力認め謝罪 ” . ''スポーツニッポン ''. (2013年1月30日)〕〔“女子柔道暴力告発 嘆願書は人事見直しや第3者調査を求める内容 ” . ''FNN ''. (2013年1月30日)〕。また、JOCからこの訴えを知らされた全柔連も再調査を試みた結果、2010年8月から2012年2月までの期間に暴力行為を5件確認することになった〔“柔道連盟専務理事「ある程度の暴力が許される風潮若干あった」 ” . ''FNN ''. (2013年1月30日)〕。 暴力の内容としては、竹刀で背中や尻を叩いたり、頭部にゲンコツ、顔面に平手打ちを食らわせたという。さらに、髪の毛を鷲づかみにしながら「お前なんか柔道やってなかったら、ただのブタだ」、「死ね」などといった暴言も合わせて浴びせていたという 〔“園田監督ら言葉でも暴力「死ね」「ブタ」…女子柔道暴力告発問題 ” . ''スポーツ報知 ''. (2013年1月30日)〕。さらに、5件の暴力は1選手に対するものであり、実際は他の選手たちにもっと多くの暴力が振るわれていた可能性も指摘されている〔“全柔連、事実を矮小化？…「暴力5件は1人分」 ” . ''読売新聞 ''. (2013年1月30日)〕。 さらに、怪我を抱えたオリンピック代表候補選手2名に対して、それを考慮することなく2011年11月の講道館杯に、「出ないなら代表に選ばない。負けてでも出ろ」と出場を強要した。1人は足をひきずりながら出場するも、途中で敗れてケガを悪化させた。もう1人は世界ランキング1位ということもあって、敢えて治療を優先して出場を断ると、翌月のグランドスラム・東京の代表メンバーから外されただけでなく、年越し強化合宿のメンバーからも除外されるという制裁を受けることになった〔“告発された園田監督 昨年11月には選手負傷させ謝罪文提出 ” . ''スポーツニッポン ''. (2013年1月30日)〕〔“足ひきずり出場、世界1位でも制裁… 柔道界の体質” . ''AERA ''. (2013年2月4日)〕。 これを受けて1月19日に全柔連の倫理推進部会は、暴力行為に関わった園田と男性の元コーチ2名及び、連帯責任としてコーチ4名の計6名の女子強化スタッフに文書による戒告処分を科した。また、この間の経緯を強化合宿中の選手に説明することにもなった〔“園田監督に戒告処分＝暴力行為への告発で－全柔連 ” . ''時事通信 ''. (2013年1月30日)〕〔“全柔連が緊急会見、園田監督は解任せず ” . ''デイリースポーツ ''. (2013年1月30日)〕。1月20日になると、告発選手側は園田らが軽い処分で終わったことに納得できず、弁護士の辻口信良に相談を持ちかけた。その数日後に辻口は東京で告発選手15名のうち12名と直接対面して、代理人を引き受けることにしたという〔“女子柔道告発15選手「見せ物にされた」” . ''日刊スポーツ ''. (2013年2月5日)〕。1月25日に全柔連は事実経過や改善点をJOCに説明した〔“ドタバタ全柔連 続投発表から2日で園田監督辞任” . ''スポーツニッポン ''. (2013年2月2日)〕。しかし、1月27日には9選手が改めて被害を訴えにJOCに直接赴いた〔“次期監督、被害15選手に意見聞いて選ぶ ” . ''日刊スポーツ ''. (2013年2月20日)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』 ■ウィキペディアで「女子柔道強化選手による暴力告発問題」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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