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『妖怪人間ベム』(ようかいにんげんベム)は、1968年(昭和43年)10月7日から1969年(昭和44年)3月31日までフジテレビ系列にて毎週月曜日19時30分 - 20時00分の時間帯で放送されたテレビアニメ。全26話。 2006年には、前作から38年ぶり(後述する未完の続編『2』から数えると24年ぶり)に制作された完全新作アニメが放送された。アニマックスでは4月から全26話が、TOKYO MXでは7月から1 - 13話がそれぞれオンエアされた。 2011年10月22日から12月24日まで、日本テレビ系列にて毎週土曜日21時00分 - 21時54分の土曜ドラマ枠で実写ドラマが放送された。2012年6月14日には、実写ドラマの劇場版として映画が制作され、同年12月15日に公開された。これらの実写作品については、妖怪人間ベム (テレビドラマ) を参照。 == 概要 == いつどこで誰が生み出したのか誰も知らない、人でも怪物でもない異形の生物…それが「ベム」「ベラ」「ベロ」の「妖怪人間」である。時には人々に迫害され、また時には友情を育みながら、いつか人間になれる日を夢見て彼らは世に仇なす悪と戦い続けるのだった。3人の合言葉は「早く人間になりたい!」であるが、この言葉はオープニング(レーザーディスク版ではこのセリフは省略されている)の他に第2話(パイロット版)でベラが発言しており、ベムとの会話から2人それぞれの心情を知ることができる。、時代とともに悪がはびこる世を嘆いたある科学者の実験により生まれ、壷の中の培養液から生まれたという設定である。科学者の死後は実験が中断され、放置された細胞が奇跡的に生き延び、妖怪人間として現代に生まれた。生まれた当初は自身を人間と思い、妖怪姿のままで人前に現れ、その醜さから人々に疎まれたために洞窟で暮らし、やがて世の正義のために妖怪や悪を退治する旅に赴くようになる。 1話完結形式で、ベム・ベラ・ベロが3人で各地を放浪しながら妖怪を退治していくフォーマット。同年にはフジテレビで先行して東映動画(現・東映アニメーション)の『ゲゲゲの鬼太郎』が放送されているが、本作はよりホラー色が強く、西洋的な異国情緒の漂う雰囲気となっている。この時期には他にも、『怪物くん』(TBS)、『怪奇大作戦』(TBS・円谷プロ)、『河童の三平 妖怪大作戦』(NET・東映)、『バンパイヤ』(フジテレビ・虫プロ商事)が放送されており、妖怪ブームの最中だった〔串間努『少年ブーム 昭和レトロの流行もの』晶文社、2003年、p.98〕。本放送時のスポンサーはロッテ。チューインガムなど関連商品が発売されている。 本放送では、関東地区で16話と20話で20.6%の最高視聴率を獲得。名古屋地区では特に人気が高く、平均視聴率は23.2%、最高で28.3%(16話)の視聴率を挙げている〔『妖怪人間ベム大全』不知火プロ編、双葉社、2007年、p.29〕。本放送後もたびたび行われた再放送で人気が高まった作品である〔取材・文:岩崎真美子「(新)平成ソフトビジネスの仕掛け人たち 不滅のニッポン・エンターテインメント 妖怪人間ベム」『DIME』1996年4月4日号、pp.65-68〕。今日では不適切とされる表現が多く見られるため〔、第4話が封印されて放送や収録されなかったり〔マグザムから発売された全9巻のビデオでは第4話が「権利元の意向で収録しておりません」としている(『コミック☆フィギュア王』ワールドフォトプレス、1999年、p.266。マグザムの広告ページ)。〕、セリフが消されたりする修正を受けることが多い。一時期出回ったビデオ全集でも同様の音声カットの措置が採られた。 視聴率も好調であり、当初は全52話の予定であったが、フジテレビ側からの決定で半分の26話に短縮された。打ち切りの理由は、フジテレビプロデューサーの別所孝治によればフジテレビ全体の改編で『スター千一夜』が始まるため(正確には21時台から移動)だったと証言している〔。作画監督の森川信英は、キャラクターの怖さによるキャラクタービジネスの不振によるものかも知れないと推測していた〔『妖怪人間ベム大全』不知火プロ編、双葉社、2007年、p.32〕。プロデューサーの草野和雄は、打ち切りが決まった後も続編を作ろうとあえて最終話をあやふやな終わり方にし、放送終了1か月後、27話以降を続編「生きていた妖怪人間ベム」を企画。いくつかのテレビ局に持ち込んだが、放送は実現しなかった〔〔『妖怪人間ベム大全』不知火プロ編、双葉社、2007年、p.33〕。そして、この作品を最後に、第一動画は解散した。 日本には馴染みのない無国籍風の作りになっているのは、制作体制の影響が大きい〔『妖怪人間ベム大全』不知火プロ編、双葉社、2007年、pp.32,42〕。オープニングで制作としてクレジットされている東洋放送は、韓国の放送局(言論統廃合政策に伴い廃局され、現在は韓国放送公社の一部)である。本作は、広告代理店の第一企画(現・アサツー ディ・ケイ)のアニメ部門である第一動画制作である。第一動画は東映動画とTCJ(現・エイケン)の出身者から成り立っており、第一動画の日本人作画スタッフが韓国に派遣され、東洋放送の動画製作部で韓国人スタッフを指導する形態での作画作業になっている。風景や色遣い、キャラクターの表情などに日本人にない韓国人の発想が反映されて、本作の独特の無国籍性が醸し出されたのだと作画監督の森川信英は説明している。第一動画の第1作『黄金バット』も同様の体制で制作されたので、こちらも無国籍性を醸している。〔『妖怪人間ベム大全』不知火プロ編、双葉社、2007年、pp.12-13,27-28,32,42。〕。森川はこうした制作経緯から「事実上の逆輸入アニメだ」と語っている。 日本国外への輸出を前提に、絵柄や時代設定は19世紀から20世紀のヨーロッパが意識されている。当初は緑色だったベロの服は赤色に変更されるなど、アメリカのバイヤーのアドバイスも受けていた。アメリカでの放送は実現しなかったものの、韓国とオーストラリアでも放送された〔。 なお、本作の主人公はベムではなくベロである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「妖怪人間ベム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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