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学生叢書(がくせいそうしょ)は、戦時下の大学生、高等学校生に精神的支柱を与えるために、河合栄治郎が編集・刊行した叢書。日本評論社から1936年-1941年に刊行された。 ==概要== 大東亜戦争の直前や以後の戦時下ではファシズムが肯定される風潮にあり、他方でマルキシズムや自由主義は否定される傾向にあった。そうした時代の中で何を頼りに生きようかと模索していた大学生、高等学校生のために、東京帝国大学経済学部教授だった河合栄治郎は学生叢書を企画、編集、出版した〔出版の意図については、青木育志『教養主義者・河合栄治郎』春風社、2012年、143-145頁参照。〕。 全巻構成は「叢書の構成」のとおり〔各巻の構成は『河合栄治郎全集』第18巻、社会思想社、1968年、358-364頁、渡辺かよ子『近現代日本の教養論――1930年代を中心に』行路社、1997年、227-234頁参照。〕。執筆陣には当時の最高水準の知識人を総動員した〔執筆者にはマルクス主義も数名含まれていた。執筆陣の分析については、青木育志『教養主義者・河合栄治郎』春風社、2012年、149-151頁参照。〕。学生叢書の主導精神は理想主義 (アイディアリズム)、人格主義、教養主義であった〔教養主義について言えば、学生叢書は昭和教養主義を代表する出版物であった。〕。 学生叢書は当時の学生に迎えられ、ベストセラーとなり、増刷が相次いだ。多くの学生、学徒動員で出征する学生にも、生きる意義と勇気を与えた〔影響を受けなかった者、無視した者、反学生叢書派の学生ももちろんいた。彼らについては、高田理恵子『グロテスクな教養』ちくま新書、2005年、86、89頁、青木育志『教養主義者・河合栄治郎』春風社、2012年、149-151頁参照。〕。 学生叢書で説かれた中身は知的生活論と人生論であり、現代でもそのまま通用するものであり、戦後の知的生活論と人生論をリードすることになった〔学生叢書の意義ついては、青木育志『教養主義者・河合栄治郎』春風社、2012年、155-157頁参照。〕。なお、河合は学生叢書と同趣旨で単独でも『学生に与う』(日本評論社、1940年)を著している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「学生叢書」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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