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『完全なる首長竜の日』(かんぜんなるくびながりゅうのひ)は、乾緑郎による日本のSF小説、ミステリー小説。 第9回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作。第4回の同コンテストで大賞を受賞した海堂尊の『チームバチスタの栄光』以来の満場一致での大賞受賞となった。 早川書房『ミステリが読みたい!』2012年版で国内編19位にランクイン。 == ストーリー == 少女漫画家の和淳美は、自殺未遂を起こし意識不明の弟・浩市と、「SCインターフェース」という機器を通じてコミュニケートする最新医療技術「センシング」により、対話を続けている。浩市がなぜ自殺を試みたかは不明であり、その原因を探らなくては、仮に浩市が意識を取り戻したとしても再び自殺を繰り返す恐れがあると、担当する精神科医・相原から言われていた。 漫画家としては中堅どころの淳美だったが、長期に渡って連載していた漫画『ルクソール』の打ち切りが決まる。 同じ頃、仲野泰子という女性から連絡があり、淳美は会いに行く。彼女の息子である由多加は淳美のファンであったが、浩市と同様、自殺未遂を起こしていた。淳美は最近まで由多加が浩市と同じ「西湘コーマワークセンター」に入院し、センシングによる治療を受けていたことを知る。泰子は息子の死に不審を抱いており、患者同士の意識が機器を介さずに交流する「憑依(ポゼッション)」という現象について語った。そして息子の死の真相を昏睡状態にある浩市が知っているのではないかと考え、泰子は浩市とのセンシングを求めてくる。漠然とした不安を感じながらもそれを許した淳美だったが、その直後から淳美の身の回りで不可解なことが起こり始める。 浩市とのセンシングの最中、淳美は幼い頃に描いた「首長竜」の絵のことを思い出す。それは初めて会う母方の祖父に、絵が得意だった淳美がプレゼントのために描いたものだったが、一所懸命に描いたそれは、祖父自身の手により「こんな恐竜がいるわけがない」と無惨に目の前でマジックで脚を描かれて破かれてしまった。淳美はそのことがトラウマになっていたが、浩市とのセンシングでそれを思い出し、手掛かりを求めて幼い頃に家族で訪れた島へと向かう。 崩壊していく夢と現実の境に、淳美は徐々に自分が現実の世界にいるのか、それとも意識化をセンシングしているのかの判断がつかなくなっていく。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「完全なる首長竜の日」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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