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定位放射線治療(stereotactic radiotherapy: SRT)は、電離放射線を用いて悪性疾患および一部の良性疾患を治療する放射線治療のうち特殊な治療法をいい、俗に「ピンポイント照射」などと称される。一回照射で治療が完結するものを、定位手術的照射(stereotactic radiosurgery: SRS)、分割照射の場合を定位放射線治療(stereotactic radiotherapy: SRT)と区別する際には、総称として定位放射線照射(stereotactic irradiation: STI)と呼ばれる。 == 歴史 == 定位放射線治療の歴史は、1968年にらによってガンマナイフが開発されたことに端を発する。〔Leksell L. : J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry, 46(9): 797, 1983〕201個のCo60線源が半円球状かつ同心円状に配置され、それぞれから放出されたγ線がちょうどその中心に収束するよう設計されており、中心部の組織に高線量が照射され、辺縁における線量勾配が急峻であるという特性を持っており、後述の専用フレームにより極めて高い精度を保持する治療機であった。こうした特性から、頭蓋内病変に対し、一回大線量で治療を行なって、その名の通りナイフで切り取るかのような治療効果をあげた。 その後も、頭蓋内病変は生理的移動が少なく、また周囲の神経組織の耐用線量が高いことも相俟って、直線加速器(リニアック)による頭蓋内病変を対象とした照射法がいくつか開発された。ノンコプラナビームを用いて多方向から照射することによる線量集中および周囲正常組織に対する急峻な線量減衰を特徴とする点は、ガンマナイフと同じであるが、Co60に比べてエネルギーの高いX線を用い、また半影が小さいことから、ガンマナイフよりも有利な特徴を持つものもある。 また、サイバーナイフのように、照射中心(アイソセンター)の概念を持たず、6自由度を持つロボットアームの先に取り付けたリニアックを用いあらゆる方向から照射を行ない、凹型状など任意の形状に対しても線量集中性が高く、線量均一性の良い照射を実現する治療装置も開発された。また、サイバーナイフでは、患者が治療中に動いても自動的に追尾して照射するため、固定フレームを必要とせず、シェル固定のみで十分である。 以上のように、頭蓋内病変を対象として発展を遂げてきた定位放射線治療であったが、1990年代に入り、スウェーデンのカロリンスカ病院で体幹部病変に対する定位照射が産声を上げた。〔Blomgren H, Lax I, et al. Stereotactic high dose fraction therapy of extracranial tumors using an accelerator. Clinical experience of the first thirty-one patients. Acta Oncal.: 1995; 34(6):861-70〕その後まもなく、本邦でも体幹部定位照射の臨床応用が始まり、現在に至るまで物理学の進歩と歩調を合わせ、発展を遂げてきた。〔Uematsu M., Fukui T., et al.: Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys., 35:587-592, 1996〕 しかしながら、特殊な治療法であるため実施できる施設が限られている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「定位放射線治療」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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