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実年(じつねん)とは、1985年11月25日に当時の厚生省が公募に基づいて決定した50歳代・60歳代の年齢層を指す言葉。官庁用語などでは使われるものの一般には普及しなかった。 1980年代、高齢化の進展によって世界有数の長寿国となった日本においては以前においては老年あるいは高齢者として見られてきた50歳代・60歳代を高齢者扱いする事に対する疑問の声が上がるようになり、定年の延長や高齢者の雇用促進によってこれらの世代を有効活用すべきであるとする声が高まってきた。そこで厚生省は壮年とも老年とも言いがたいこれらの世代を表す用語を一般から募集する事になった。厚生省は「中高年齢層に関する新名称公募委員会」(委員長・本田宗一郎国民健康会議座長)を編成し、国民から公募した約31万通の意見から選考を行った〔朝日新聞1985年11月26日3頁〕。 公募の意見で最も多かったのは''人生の成熟''を意味する「熟年」であった(1万2145通)。これはこの世代を指す言葉としては1980年前後から用いられていた言葉ではあったが、「広告代理店業者による造語」「熟したあとは腐って落ちるイメージがある」という2つの理由で選考委員に支持されなかった〔毎日新聞1985年11月26日付21頁。「熟年」が「広告代理店の造語」というのは事実関係としては不正確である(詳細は「熟年」の項目を参照)。〕。このため、「熟年」は最終候補そのものから外されて、次点(6055通)の「実年」が「人生で一番充実する時代というイメージや実りのときという意味があって五十、六十歳代にふさわしい。左右対称の字に落ち着きがある」〔「字の意味がふさわしく、読み書きが容易で、語感がよく、少、青、壮、老と並べて使うのに適当」〔といった選考委員の支持を得て、金賞に選ばれて採用された(ちなみに銀賞は''人生の充実''を意味する「充年」(4615通で第3位)であった)。 だが、最終的には官庁主導で決められたこの言葉の普及はさっぱり進まず、役所などの一部で使用されるに留まった。 まさに当時その実年世代であったハナ肇とクレイジーキャッツの曲に、この言葉が作られたことを記念しているともおちょくっているとも取れる様な作品「実年行進曲」(作詞:青島幸男 作曲:大瀧詠一。1986年4月23日発売)がある。 == 脚注 == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「実年」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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