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天文学において等級(とうきゅう、)とは、天体の明るさを表す尺度である。整数または小数を用いて「1.2等級」あるいは省略して「1.2等」などと表す。恒星の明るさを表す場合には「2等星」などと呼ぶ場合もある。等級の値が小さいほど明るい天体であることを示す。また、0等級よりも明るい天体の場合の明るさを表すには負の数を用いる。 等級が1等級変わると明るさは100の5乗根、すなわち約2.512倍変化する。よって等級差が5等級の場合に明るさの差が正確に100倍となる。言い換えれば等級とは天体の明るさを対数スケールで表現したものであり、1等級の明るさの差は正確に4デシベルに等しい。これは、人間の目の光に対する感度が対数的であるため、この性質が等級の定義に結果的に反映していると言える。 == 歴史 == 恒星の明るさを段階的に分類する方法を始めたのは古代ギリシアの天文学者ヒッパルコスである。この時代は明るさを定量的に計測する手段がなかったため、目安として最も明るい恒星を1等星とし、かろうじて肉眼で見える暗い星を6等星として、間を分ける形で6段階に分けられた。この時点での等級には1.2等などの細かな段階分けは用いられていなかった。その後、プトレマイオスの著書『アルマゲスト』でこの方法が採用されて広く使われることとなった。 その後16世紀に望遠鏡が発明されると、6等星よりも暗い恒星が観測できるようになった。6等よりも暗い星は7等星、8等星などと分けられたが、その分類は天文学者によって異なっていた。 19世紀の天文学者ポグソンは、定量的に測定した場合、1等星と6等星は明るさの差がおよそ100倍であるという結果から、等級が5等級変化するごとに明るさが100倍になる、すなわち1等級が1001/5 ≒ 2.512倍に相当すると定義した。現代でも等級にはこの定義が用いられている。 これにより、それまで整数でしか表されなかった等級が1.2等星や3.5等星などと小数を使って表せることになった。また、等級の値に0や負の数も取ることができるようになった。全天で太陽の次に明るい恒星シリウスは-1.47等級である。 また、ポグソンの元々の定義では等級の基準値としてポラリス(現在の北極星)を2.0等と定義していたが、その後ポラリスが変光星(セファイド型変光星)であることが明らかになったため、1922年第1回IAU総会において、北極星野の96個の星を国際式等級の原点と定めた。また、こぐま座λ星の6.5等級を基準値として定めた(ジョンソン・モルガンシステム)。こと座のベガが等級の原点であるというのは誤解であり、ベガが0等に近い値を持つのは単なる偶然である〔市川隆(1997年)「標準測光システム」天文月報 第90巻 第1号 〕。現在では、定められた色フィルターで複数の基準星を測光して等級を決定している。その際、V 等級の原点は、北極標準星野の6個の星の国際式写真実視等級が、UBVシステムのV等級と同じになるように決められた。また,スペクトル型がA0Vの6個の星の平均が U = B = V となるようにU等級とB等級の原点を決められた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「等級 (天文)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Magnitude (astronomy) 」があります。 スポンサード リンク
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