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宮増(みやます)は、能「調伏曽我」「小袖曽我」「鞍馬天狗」「烏帽子折」「大江山」などの作者として、各種作者付に名前が見られる人物。計36番もの能の作者とされながら、その正体はほとんど明らかでなく、「謎の作者」と言われている〔西野春雄「中作能の作者と作品(四)宮増の能」〕〔竹本幹夫「『自家伝抄』の資料性と能作者宮増」〕。 その作風は先行する観阿弥、また後の観世小次郎信光などに通じるもので、面白味を重視した演劇性の強い作品が多い〔北川忠彦「謡曲作者宮増をめぐる試論」〕。 永享頃から室町後期にかけ、宮増姓を名乗る「宮増グループ」と呼ぶべき大和猿楽系の能役者群が活動しており、近年の研究では能作者「宮増」はその棟梁を務めた人物、あるいはグループに属した能作者たちの総称であるとも考えられている。 ==能作者「宮増」== === 作者付に見える能作者「宮増」 === 能作者「宮増」の名が見られるのは、能の曲目・作者の一覧を示した所謂作者付と呼ばれる伝書においてである。 うち、観世長俊の談話に基づいて作られた『能本作者註文』では、「氷室」など10番の能の作者として「宮増」なる人物の名が挙げられ、「脇之上手と云々」と注記されている。一方、筆者不明の『自家伝抄』では、「元服曽我」など28番の能について、作者が「宮増」である旨が記されている。 能作者としての「宮増」についての史料はわずかにこの2つのみで、またそこからは、「優れたワキ方の能役者だった」ことが辛うじて知れるに過ぎない〔こうした状況を小林静雄は「全く雲を把みやうなもので、何うにも手のつけやうがない」と慨嘆している〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「宮増」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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