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宿善(しゅくぜん)とは、浄土真宗の教義にある語のひとつ。「宿」は、古いの義で「宿世」を指し、前世・過去世の意。「善」は、善業の意。つまり「宿善」とは、宿世に行った善業の意味を指す。また、生れる前の過去世に限らず、今までに積み重ねた善根をさすこともある。 「宿善」の語は、「浄土三部経」・親鸞の著作には見られず、七高僧の中では源信の『往生要集』にのみ見られ、その他には唯円〔『歎異抄』の著者に関しては、諸説ある。現在では、唯円が作者とするのが定説である。〕『歎異抄』、覚如『口伝鈔』・『改邪鈔』、蓮如『正信偈大意』・『御文』・『蓮如上人御一代記聞書』、聖覚法印『唯信鈔』・『安心決定鈔』〔『安心決定鈔』…作者について定説なし。浄土宗西山派の流れをくむ人物によるものと推察される。〕などに見られる。 「宿善」の語意に関しては、浄土真宗の宗派によって解釈が異なる。 また、宿世に結ばれた因縁を「宿因」・「宿縁」という。この語は慣用上、善き因・善き縁の意味に用い、今生・後生における善果をもたらす、前生の良い因縁を指す。悪しき因縁は、「業因」・「業縁」を用いる。〔『仏教学辞典』P.248「宿世」を参照。〕 == 宿善往生と念仏往生 == 「宿善往生」とは、「念仏往生」に対す教義概念。信心獲得は宿善の開発に由る〔『真宗辞典』P.373「宿善往生」を参照。〕とし、信心獲得の因縁となるべき善業を宿善という。 『仏説無量寿経』巻下に、 と説かれていることに由来とする。 つまり、過去世に仏教、阿弥陀仏の本願を聞いてきた人でなければ、今生で真実の仏教に遇い、信心獲得する(阿弥陀仏に救われる)ことはできないとする。 対して「念仏往生」は、念仏を因とし、浄土往生を果とするが、因果共に阿弥陀仏が念仏の衆生を浄土に往生せしめんという本願(四十八願#第十八願を参照)による他力回向に由るとする。「念仏往生」は、「諸行往生」にも対する語でもある。〔『真宗辞典』P.615「念仏往生」を参照。〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「宿善」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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