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小村 雪岱(こむら せったい、明治20年(1887年)3月22日 - 昭和15年(1940年)10月17日)は、大正~昭和初期の日本画家、版画家、挿絵画家、装幀家。 == 生涯 == 明治20年(1887年)、埼玉県川越市郭町に父小村繁門(しげかど)、母もんの長男として生まれる。本名は泰助。明治24年(1891年)に父が病没し、翌年母が小村家より離縁されたため、幼くして両親を失い、伯父の小村万吉に養育されることになった。明治33年(1900年)、坂戸高等小学校を卒業した雪岱は、翌明治34年(1901年)、神田神保町に住む叔母の家に寄宿し始めた。明治35年(1902年)、叔母の世話で日本橋檜物町に住む外務省勤務の書家安並賢輔方で学僕となる。(明治38年に養子縁組することになる) 明治36年(1903年)、雪岱は16歳の時に画家を志して日本画家の荒木寛畝に入門した〔『芸術新潮』 2010年2月号年譜および『小村雪岱展図録(ニューオータニ美術館)』2012年 年譜〕。 明治37年(1904年)、東京美術学校日本画科選科入学。下村観山教室に学ぶ。古画の模写、風俗考証を学ぶ。明治40年(1907年)に福岡医科大学の久保猪之吉が上京してきて、夫人とともに駿河台の宿屋に泊まった。この時、歌川豊国の絵の模写を頼まれていた雪岱がそれを届けに宿屋へ伺うと、久保は外出しており夫人が応じた。そこへ宿屋の女中が「泉先生の奥様がお見えになりました」と告げに来たという。久保夫人と泉鏡花夫人は昵懇であったようで、「明日は鏡花本人もここにお邪魔します」という言葉を聞いて、すでに鏡花の小説を愛読していた雪岱は、再びその宿屋を訪れた。このようにして雪岱は、小柄で、ちょっと勝気な美女が男装したような感じのする鏡花と巡りあったのであった 〔〔明治42年(1909年)という説もある〕。雪岱の雅号を与えたのが鏡花である〔小村雪岱展図録(ニューオータニ美術館)』p10、2012年〕。明治41年(1908年)に東京美術学校を卒業、一時、国華社に入社している。 明治42年(1909年)、養父の安並賢輔病没。安並家を継ぐ。ただし、仕事では小村姓を名乗る〔。 大正3年(1914年)、泉鏡花の『日本橋』の装幀を行ない、以後鏑木清方と並び、多くの鏡花作品を装幀、木版多色摺りによる挿絵の仕事を手がけた。また、大正11年(1922年)には里見弴の『多情仏心』の挿絵も手掛けており、装幀のほか、新聞雑誌の挿絵において活躍している。雪岱の美人画は橋口五葉よりも浮世絵的な雰囲気が色濃かった。その作品は鈴木春信の影響を受けながらも、幕末の歌川国貞あたりの末期浮世絵のもつ崩れた美にも通じていた。新聞小説の挿絵などでは、殊にオーブリー・ビアズリーのような黒白のシャープで、くっきりとした版画的な絵をもって特色を際立たせた。なお、雪岱の木版画は、生前のものより、その没後に高見沢木版社などから版行されたものの方が多く、いわゆる新版画に分類される。 一方、舞台美術の分野でも異才を発揮し、大正13年(1924年)の『忠直卿行状記』から舞台装置の世界で独自の感覚を発揮、『一本刀土俵入』、『大菩薩峠』など、数多くの作品を制作し、溝口健二の映画美術の担当などをこなして、舞台装置の世界で自ら一時期を画した。 昭和8年(1933年)に、挿絵の代表作となった邦枝完二作の新聞小説『おせん』(東京朝日新聞)、翌昭和9年(1934年)の『お伝地獄』(読売新聞)など数々の作品を発表するなど、挿絵の分野においても大きな足跡をのこした。この『おせん』以降は邦枝文学とのコンビネーションも目覚ましかった。また国画会同人でもあり、情趣と端麗な画風を以て、「昭和の春信」と評された。 昭和15年(1940年)、脳溢血にて死去。享年54。墓所は世田谷区北烏山の妙高寺(烏山寺町内)。法名は園林院雪岱日閣居士〔。 == 略歴 == * 1892年 川越小学校入学 * 1900年 坂戸小学校高等科卒業 * 1904年 東京美術学校入学 * 1908年 東京美術学校日本画科卒業 * 1908年 美術雑誌国華社入社 * 1910年 国華社退社 * 1914年 『日本橋』の装幀を行う * 1918年 資生堂に入社、化粧品広告などを手がける * 1919年 田村八重と結婚 * 1923年 資生堂を退社 * 1939年 田坂柏雲と「絵画と木彫美術展覧会」を開催 * 1940年 麹町の自宅で脳溢血により死去 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「小村雪岱」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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